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2026.9.3

「無駄」と思えることが必要な時もある

【放送礼拝】 増田 願心2026年度3年生

今日は夏休みの思い出について話してほしいという指示があったのですが、あまりにもしたことが少なかったので、ちょっと違う話をさせていただきます。

高校生活を送っていると、「将来のために何かしなければ」と思うことがあると思います。
みんなもあと1、2年で卒業し、進路を決めなければいけない。
それに向けて何か自分の役に立つことをしなければいけない。
そう考えているうちに、焦って今この瞬間を楽しむことを忘れてしまうこともあるかもしれません。
私はまさにその状況でした。
受験は10月の半ば。もうあと少ししか余裕がない。そんな状況で夏休みは遊んで、たまにに少しだけ勉強をして、寝る。そんな生活をしていました。もっと勉強しなきゃいけないという不安に駆られながらもこの生活を繰り返していました。

でも、私は夏休みに父と話したことで、少し違う考え方をするようになりました。

突然ですが、私の家はお寺です。浄土真宗、本願寺派という仏教の宗派に属しています。そして父がお坊さんをやっています。先に言っておきますが、父はお坊さんですけど、禿げていません。

その父と夏休みに話していたとき、私はこれからのことについて考えていました。
その中で、父から言われたことがあります。
それは、今は意味がないように思えることでも、あとになって振り返れば、それが自分にとって大切なものになっているかもしれないということでした。
その言葉を聞いて、私はそんなこといろんな大人が言うし、もう聞き飽きたなって思いました。
でもその話をした日の夜に布団を被って考えました。いろんな経験をしてる大人が言うんだからその言葉は正しいのでは?と思ってみたりもしました。少しその言葉を肯定的に捉えて考えてみました。

父との対話を通して自分なりに考えた事を今から話します。

そのときは何の意味もないと思っていたこと。
失敗してしまったこと。
何となく過ごしていた時間。
そういうものも、なくなってしまうわけではありません。経験したことは、自分の中に残ります。だから、今の自分には「無駄だ」と思えることでも、それを経験した自分は、経験していない自分とはまったく違います。
すぐに役に立たなくてもいいし、今すぐ意味が分からなくてもいい。その経験が、いつか自分の考え方や価値観をつくる一部になるかもしれないからです。
だから私は、将来のためになることだけを選んで高校生活を過ごす必要はないと思います。

友達と話すこと。
くだらないことで笑うこと。
何かに夢中になること。
失敗すること。
遠回りすること。

そういう一見すると無駄に見える時間も含めて、高校生活なのだと思います。そして、将来がまだ決まっていないことを、必要以上に怖がらなくてもいい。今の自分が何者なのか分からなくても、焦って答えを出す必要はありません。今を生きている自分自身が、これから少しずつ自分をつくっていけばいいと思います。だから、みなさんには将来のことばかりを考えて、今を置き去りにしてほしくありません。高校生活は一度しかありません。ましてや私たちはあと半年しかありません。
将来のために何をするかだけではなく、今しかできないことを楽しんでほしいです。そして、今は無駄に思えることも、失敗したことも、意味が分からない経験も、無理に否定しなくていいんです。いつか振り返ったとき、それらもきっと、今の自分をつくっている一部だったと思える日が来るはずです。

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