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理念や指導方針

校長挨拶

ここ北海道余市町も日に日に春らしくなってまいりました。

本日、北星学園余市高等学校の第58回入学式にお集まりの皆さま、ご入学おめでとうございます。ようこそ北星余市高校へ。

本校の母体である北星学園は、1887年アメリカの女性宣教師サラ・C・スミスが札幌に立ち上げた女子教育を行う小さな塾から始まりました。そして1965年、本校は北星学園の7つ目の学校として、ここ余市に誕生し58年目を迎えます。

今年は1年生66名。2年生4名、あわせて70名の新入生を迎えることができました。日本全国のさまざまな場所からこれだけの若者が集まり、今日から高校生活を始めることになります。その中の多くの人達は寮下宿に入って学校に通います。自宅から通学する人も新しい人間関係の中で高校生活が始まります。ですから、これから始まる学校生活への期待よりも、大きく環境が変わることに対する不安を感じている人の方が多いのかもしれません。

それでも、今日一歩を踏み出したみなさんに対し、心より拍手を送りたいと思います。


さて、少し世の中に目を向けてみることにしましょう。

2年前から続いている新型コロナウイルスによる影響や、ヨーロッパで始まった戦争など、これまでの考え方や常識が大きく変わる出来事がたくさん起こっています。それらについてはまた別の機会にみなさんと考えていきたいと思います。

今日皆さんに伝えたいのは、この4月1日より民法が改正され、成人年齢が18歳に引き下げられたことです。明治時代から140年以上も変わらなかった法律が今年度から変わりました。まだピンとこないかもしれませんが、皆さんは遅くても高校3年生になる頃、社会的には大人として扱われる年齢になります。その責任や立場などはこれからゆっくりと考えることになるのでしょうが、大人になる準備はすでに始まっているということになります。

今自分に備わっている力と、こうありたいと考える理想の姿の間にある「差」を大切に自覚してほしいと思います。その差がどれほど大きくても、それは成長のきっかけになるからです。

成長に必要なことは学びと経験の積み重ねしかありません。これから皆さんが過ごす高校生活で、出会うさまざまな人と、取り組むたくさんの行事から、そして時には間違えたり失敗をも通じて積み重ねていってください。

そうは言っても、皆さんの中には学校生活に不安や心配を抱えている人もいると思います。

学校という環境は、とても狭い世界です。同じ年代の人が集まり、同じ時間に同じことに取り組む。その中では、どうしたって上手くできる人が評価されることになります。人を評価する物差しがその一つだと、息苦しさや違和感を感じる人がいても不思議ではありません。

ここ北星余市高校も、同じ時間に同じことに取り組むことを求めることがあります。そのため全てにおいて満足できる環境ではないかもしれません。

それでも全日制普通科の学校としては、ほかにあまり例を見ないほどたくさんの物差しを用いて皆さんを見ることができます。それは、学校全体に年齢や経験、考え方など、「それぞれが持っているものは違って当たり前」と考える土台があるからです。

学校にもいろんな評価基準、つまりたくさんの物差しがあってもいいはずです。誰しもが持っている長所、例えば絵が上手、歌がうまい、気遣いができる、面白い話題を持っている、物知りであるなど、そんな数字では表しにくいことも含めて、「それっていいね」とお互いに認め合える環境で成長していってほしいと考えています。

「人は人の中でこそ成長する」が北星学園余市高等学校の考え方です。今日から学校生活を共にする先輩や同級生、管理人さんや先生たちと一緒に、たくさんの経験を積み重ねていってください。

最後になりますが、本日、大切なお子さんを北星余市高校に送り出していただいた保護者の皆様。ご入学おめでとうございます。そして、今日からよろしくお願いいたします。

新しい学校生活へと送り出すにあたり、心配や不安、わからないこともたくさんあるかと思います。私たちは、保護者の皆様と、お子さんの成長を一緒に考える関係になれたらと願っています。何かありましたら、ご遠慮なくお聞きください。そのような中で北星余市高校の教育をご理解いただければ幸いです。

まだまだ新型コロナウイルスの影響が続き、マスク越しやオンラインでのつながりが中心ですが、顔の見える関係を模索しながら、共に子供たちの成長を応援していきましょう。

これをもちまして、校長の式辞といたします。

2022年4月9日 

北星学園余市高等学校 校長 今堀 浩

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