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実生活について

生徒の声

2019.3.28

自分の弱さを知り、成長させてくれる時間だった。

2018年度卒業式答辞 伊藤 啓2018年度 前期生徒会長

勉強が大嫌いな僕にとって学校という場所は苦痛そのものでした。
型にはめられ、みんな同じ教室で、同じ勉強をすることに大きな違和感を持っていました。
学校っていうところでは、先生の言うことを聞く、真面目な生徒になることが求められます。
たくさん勉強して、いい高校に入って、いい大学に行く、それが正しい道だって教えれらてきました。

今から5年前僕は学校へ行かなくなりました。
やらされるばかりの勉強が嫌で嫌でたまらなかった。ずっと我慢して学校へいっていたんです。
でも僕は真面目な子供だったので、先生から、親から認めて欲しい、褒めて欲しい、
そんな思いでずっと頑張っていました。

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正解ばかりを気にしていつしか学校では自分を偽って、演じていたように思います。
そんなんだったからいつしか本当の自分を見失ってしまったんです。

小学生の時から我慢していた気持ちが爆発して学校から逃げ出したんです。

今の日本で学校へ行かないということは、普通ならあり得ないことです。
先生からも、親からも、なかなか理解されませんでした。とっても辛かったです。
だから家に引きこもって昼夜逆転、オンラインゲームばかりをして過ごす日々でした。

僕は心の何処かに寂しさを抱えていたんです。

高校になんて行くわけがないと思っていましたが、気がついたらこの北星余市の門を叩いていました。
親から離れて下宿生活をして過ごすことにしたんです。今思い出しても、大きな決断だったと思う。

不安な気持ちで入学式を迎えた日のことをいまでも良く覚えてます。
ここなら今までの自分とは変われるかもしれない、本当の自分を見つけたい。そんな気持ちでいました。
が、そんな想いはすぐにぶち壊されることになります。
なんか怖い先輩。いかつい同級生。不安な気持ちがもっと不安な気持ちになりました。
こうして卒業を迎えることなんて全く想像していなかったし、想像すらできませんでした。

しかし僕はどういうわけかこうして学校も辞めずに、卒業の日を迎えることができました。

振り返るとこの三年間、けして楽しい思い出ばかりではありません。
どちらかというと面倒くさいことや、全てを投げ出してしまおうという気持ちになることの方が多かったです。
訳もなく、ただただ毎日「しんどいなー」と思って過ごしていた記憶ばかりです。
それに学校やめたい。って思ったのは一度や二度の話ではありません。

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実は僕は人がものすごく怖いんです。
他人から「どう思われているんだろう」とか「嫌われたらどうしよう」って考えてしまって、人の目、他人の目が気になって仕方がない人なんです。

本当の自分を見つけたい、今までの自分とは違う自分になりたい。

そう思えばそう思うほど、今までの仮面を被った自分が現れるんです。

殻に閉じこもった自分から、抜け出したかった。仮面を被った自分から抜け出したかった。

ありのままの自分でいたかった。

そんな自分の思いとは裏腹に時々全てを投げ捨てたくなるときがありました。
下宿の部屋に閉じこもって、こんな自分は、もうダメだって泣いていた。
そんな姿は誰にも見せたことはありません。恥ずかしくて誰にも言えませんでした。
今日初めてみんなの前で言います。

卒業を迎えて本当の自分を見つけたか?と聞かれたら、答えはNO.本当の自分なんて見つからないままです。
何かか大きく変わった訳でもありません。ちっぽけな自分のままです。
今となっては変われない自分も本当の自分だったのかなと思います。

「この日を迎えられたのは僕が頑張ってきたから。」では全くありません。

この学校が明らかに他の学校とは違うところは「みんな違ってみんな良い」という信念が根付いているところだと思います。全国から様々な個性を持った人たちが集まって学校生活をします。
そんな個性豊かな仲間と過ごした時間は私にとって、自分の弱さを知り、成長させてくれる時間だったのです。

52期のみなさんはこの北星余市で三年間過ごしてきました。中にはそれよりも短い人もいますが、同じ時間を共有してきました。それぞれふり返って見て、これまでの日々はどんな風に見えていますか?
入学してきた時と比べて変化はありましたか?それとも変わらないままでしょうか。

今日で北星余市での生活はおしまいです。
そしてそれぞれに新しい生活が始まります。
きっとこれは通過点なんだと思います。

1、2年生は四月から新しい学年です。
きっと楽なことだけじゃないと思う。つまずいたり、転んだりすることだってあると思う。
そんな時はしっかり立ち止まって、周りを見渡せば良い。
この学校には背中を押してくれる仲間・環境がきっとあります。
だから大丈夫。応援しています。

52期卒業生代表 伊藤啓

 

 

 

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