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理念や指導方針

校長挨拶

校長北星学園余市高等学校

校長 平野 純生  

北星余市の入学式において、多くの新入生は無表情で、暗い感じです。

これまでの小学校や中学校で嫌な思いをたくさんしてきたわけですから、これから新しい高校生活が始まると言われても不安になるのは当然だし、それが表情にも出ているのだと思います。それでもなんとか北星余市での高校生活を始めるための決意をしてもらうのが入学式です。

入学式のあと、クラスではしばらくの間、生徒同士の会話も少ない静かな雰囲気が続きます。そんな中でも多くの人が少しずつ、自分が話しやすい人と話すようになります。クラスとの友人関係がぐっと近くなるのは5月に行われる1泊2日の1年生研修会です。いろんなタイプのクラスメートと身体を密着させる集団ゲームをしたり、同じ部屋で泊まる中でいろんな人と話をしてクラスでの交友関係がぐっと広がります。そうなればその後のクラスでも話をする友人が多くなって安心して生活できるようになります。

そうやって始まる北星余市での高校生活ですが、季節が進み暑くなるころにはこんな風景も見られます。 4時間目終了のチャイムが鳴り終わらないうちに、入り口から多くの生徒たちが入ってきて、ある生徒は先生の席のそばに座って先生とおしゃべりをしています。ソファーに座っている女子2人組は、2人だけが聞こえるような声で楽しそうに話しています。また扇風機の近くで涼しい風を感じながら、男女の4~5人が、お互いに面白おかしいことを言いながら盛り上がっています。その他にもいろんなところで生徒たちのグループがいて、先生も加わって話をしています。これは、ある初夏の日の昼休みの職員室の様子です。職員室は基本的に生徒が自由に出入りしていて、生徒の憩いの場となっています。教員は、生徒と話したり、生徒たちの様子を見たりすることで生徒の状況を把握することができます。

また、週に1回、昼休みの開始とともに、全校に「今日はお弁当の日です。みなさん、中庭に集合してください。」という生徒会執行部からの放送が流れます。中庭では、気持ちのいい日差しの中で芝生の上にブルーシートが敷かれて、そのうえでお弁当や売店で買ったお菓子を持ち寄った生徒たちが笑いながらおしゃべりをしています。これは生徒会執行部で行っている全校生が学年に関係なく仲良くなるための企画です。北星余市では、学年が違うことを気にしないで仲良くなれます。  

学校内で生徒たちが楽しそうに過ごしている場面を見るたびに、北星余市で笑顔の生徒が多いのはどうしてなのかと考えます。よく考えてみると北星余市は、何か特別なこと、たとえば進学実績がすごいとか、何かの部活が活躍しているとか、他の高校がアピールしているようなことは特にない学校だと思います。  ただ、高校生活の3年間を充実したものにするために、どんな行事があれば楽しくなるだろうか、授業はどうすればわかりやすくなるか、クラスで生徒同士が分かり合えるためにはどうすればいいか、どんなクラブがあれば放課後に参加したいと思うかなどを考えて、それを生徒と一緒に創っていこうとする学校であることは間違いありません。

北星余市では開校当初から50年以上、決して勉強が得意なわけではない生徒や時には悪さをしてしまうやんちゃな生徒など、どんな生徒でもいいところを見つけて真剣に向き合えば、まともな大人に育てることができるというポリシーを持ち教育を行ってきました。あえて言うなら、そういう教育をしっかり続けていることだけが他の学校にない自慢できるところだと思います。今の時代のどんな辛さや困難をかかえた生徒であっても、北星余市の教育の中で、成長できる可能性があると思っています。もちろん、すべての生徒が満足できるわけではないかもしれませんが、北星余市の教育の様々な場面で、生徒たちが輝く時があるのは事実です。北星余市では、頑張る姿勢をみせれば多くの輝きを体験できます。

「地元にいるときは、これからの自分の人生はどうなるんだろうという不安しかなかった。北星しか行く場所がなくて入学したけど、最初は、クラスや学年の周りの生徒たちを見てとんでもないところに来たと思った。でも、卒業して思うのは、北星での高校生活は本当に楽しかったということ。今の専門(学校)は楽しくないけど、北星での生活を思い出して頑張れる。北星に来なかったら自分の人生はどうなっていたんだろうと思う。まあ、北星に来たから自動的に変われるわけではないけどね。」これは、ある卒業生が学校に遊びに来た時の雑談の中での会話です。

この卒業生が北星余市での高校生活を楽しいと感じたのは、クラスや学年、下宿の生徒たちとの関わりながらの高校生活を楽しいと感じたからでした。そうした関わりの中で、ここが自分の居場所だと感じることができたからでした。人は人との関わりの中でこそ生きている実感を得ることができます。北星余市では本当にリアルな楽しい毎日を送ることができます。 北星余市の卒業生たちは、誰でも驚くほど雄弁に自分の人生を語ります。卒業生の話を聞くと、思春期には本当に苦しい時があるけれど、それを乗り越えることは可能であるし誰でも生きる希望をつかめるのだと思わせてくれます。

これからの高校生活をどうしようかと考えている方は、ぜひ北星余市を見に来てほしいと思います。北星余市はあなたの人生を変える学校になるかもしれません。

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