不登校経験があっても寮のある高校に進学できる?学校選びのポイントを解説

2026.08.02 卒業生

牧師・教員・経営者

後宮 嗣

USHIROKU TSUGU

子どもの不登校が続くなかで、「今とは違う環境も検討したほうがよいのだろうか」と考える保護者の方もいるでしょう。

進路の選択肢の一つとして挙げられるのが、寮や下宿のある高校です。

僕自身、札幌の高校を中退したあと、北海道余市町の高校へ入り直し、親元を離れて高校生活を送りました。だから、「家を出す」という判断を前にした保護者の方の迷いも、家を出る側の子どもの不安も、どちらもよく分かるつもりです。

家族と離れて暮らし、決まった時間に食事や登校の予定がある環境に移ることで、生活に新しいリズムが生まれることがあります。また、学校の先生や寮下宿の管理人、同世代の仲間など、家族以外に関われる人が増えることも、本人や保護者の支えになるでしょう。

一方で、環境を変えれば必ず登校できるようになるわけではありません。共同生活や家族と離れることが、かえって負担になる子どももいます。

大切なのは、不登校の経験だけで進路を決めるのではなく、本人の気持ちや心身の状態、希望する高校生活、寮下宿の支援体制を一つずつ確認することです。

この記事では、不登校経験がある子どもが寮や下宿のある高校を検討するケースや、高校の課程と生活環境の違い、学校選びで確認したいポイントを解説します。

あわせて、北海道余市町にある全日制普通科の北星学園余市高等学校を例に、学校指定の寮下宿で暮らしながら高校に通う進路について紹介します。

▼この記事でわかる内容

  • 寮や下宿のある高校を検討するきっかけ
  • 全日制高校、通信制高校、寮、フリースクールの違い
  • 寮生活のメリットと注意点
  • 寮のある高校を選ぶときの7つのポイント
  • 北星余市の全日制高校と寮下宿の特徴
  • 入学や転入、寮下宿を検討する際の確認事項

著者情報

後宮 嗣

後宮 嗣

1989年北海道千歳市出身。京都府在住。札幌市の高校を中退後、2005年に北星余市高校へ入学。卒業後は明治学院大学国際学部国際学科へ進学し、業界大手商社に就職。2020年に退職し、同志社大学大学院神学研究科に入学。現在、牧師・教員・経営者として活動中。「実力があればこそ楽しさも生まれる」「人にいい影響を与える生き方がしたい」という思いをもとに、自身の経験も交えながら、不登校や進路に悩む方へ向けて語ります。公式インタビュー:https://www.hokusei-y-h.ed.jp/star_record/list/11765/

遷移先URL:https://www.hokusei-y-h.ed.jp/

不登校経験があり、地元を離れて高校生活を始めたいと考えている場合は、全日制高校と寮下宿を組み合わせる北星学園余市高等学校も選択肢の一つです。

まずは資料や学校説明会、学校・寮下宿の見学を通して、本人が実際の生活をイメージできるか確かめてみてください。

>>北星余市の学校見学・個別相談はこちら

不登校経験者が寮のある高校を検討するきっかけ

寮や下宿のある高校が本人に合うかどうかは、不登校になった理由や現在の状態、本人の意思、学校と生活環境の支援体制によって変わります。

次のような悩みや希望がある場合は、現在とは異なる環境で高校生活を始める方法の一つとして、寮や下宿のある高校を検討できます。

生活リズムを見直すきっかけがほしい

不登校が続くなかで、起床時間や就寝時間が少しずつずれ、昼夜逆転の状態になることがあります。

寮や下宿では、起床や食事、登校など、生活の時間がある程度決められている場合があります。本人の状態や寮下宿の支援体制によっては、新しい生活リズムをつくるきっかけになるでしょう。

僕も、自分の意思の力で朝起きられるようになったわけではありませんでした。同じ家に暮らす人が動き出すから自分も動く、という日が積み重なっていったという感覚が近いです。

ただし、朝起きられない背景には、心身の不調や学校への強い不安が影響していることもあります。

規則正しい生活を求めるだけでなく、朝起きられないときや欠席したときに、学校や寮下宿がどのように対応するかを確認することが大切です。

親子で話すたびにぶつかってしまう

子どものことを心配して声をかける保護者と、「責められている」「急かされている」と感じる子どもの間で、会話がかみ合わなくなることがあります。

家族だけで状況を抱え続けると、子どもも保護者も疲れてしまいます。

寮や下宿で暮らし、学校の先生や管理人など家族以外の大人と関わることで、相談できる相手が増える場合があります。親子がいったん適度な距離を取り、それぞれの気持ちを整理するきっかけになることもあるでしょう。

僕の場合も、離れたことで親と話しやすくなりました。毎日顔を合わせていたときには言えなかったことを、電話や帰省のときに話せるようになった。距離ができたから関係が切れる、とは限らないと思っています。

ただし、寮へ入ることは、保護者が子育てから離れることではありません。学校や寮下宿と連絡を取りながら、本人をどのように支えるかを一緒に考えていく必要があります。

地元の人間関係から距離を置きたい

以前通っていた学校の同級生や先生、通学路、制服などがつらい経験と結びつき、地元にいるだけで苦しくなる子どももいます。

そのような場合は、以前の学校や人間関係から物理的な距離を取り、新しい場所で人間関係を築くことが、前へ進むきっかけになる可能性があります。

一方で、住む場所を変えても、不安やつらい記憶がすぐになくなるとは限りません。本人がどのような場面に不安を感じるのか、新しい学校にはどのような支援があるのかも確認しましょう。

通信制高校だけでは生活や学習を管理できるか不安がある

通信制高校は、レポートやスクーリング、試験などを通して高校卒業を目指す仕組みです。登校頻度を抑えられる学校もあり、自分のペースで学びやすい点が特徴です。

その一方で、登校しない日の過ごし方や学習計画を、自分で管理しなければならない場合もあります。

毎日の登校を基本とする全日制高校と寮生活を組み合わせることで、生活と学習の時間をつくりやすくなる子どももいます。

ただし、全日制と通信制のどちらがよいかは、本人の状態や希望によって異なります。課程名だけで判断せず、実際の登校日数や授業時間、欠席時の対応まで確認することが重要です。

全日制の高校生活を経験したい

不登校経験があっても、毎日の授業やホームルーム、学校行事、部活動、友人との時間を含む高校生活に挑戦したいと考える子どもはいます。

そのような希望がある場合は、寮や下宿から全日制高校へ通う進路も検討できます。

僕自身、中退した時点では毎日通うこと自体に自信がありませんでした。それでも結果的に、行事や友人との時間まで含めた三年間を経験できたことが、その後の進学や仕事につながっています。

ただし、「一般的な高校生活を送らなければならない」と周囲が決めるのではなく、本人がどのような高校生活を望んでいるかを確認することが大切です。

家族以外にも相談できる大人がほしい

不登校への対応を家族だけで続けていると、本人も保護者も孤立しやすくなります。

学校の先生やスクールカウンセラー、寮下宿の管理人など、日常的に様子を見てくれる大人が増えることは、本人の安心につながる場合があります。

僕にとって大きかったのは、先生でも親でもない町の大人が、日常の中で自分を知っていてくれたことでした。評価されるのではなく、ただ見ていてもらえる関係に助けられました。

学校で困ったとき、寮内の人間関係に悩んだとき、体調を崩したときなど、状況に応じて相談できる人がいるかを確認しましょう。

本人が家を離れてみたいと考えている

寮生活を検討するうえで特に大切なのは、本人の意思です

保護者がよい環境だと感じても、本人が家を離れることに強い不安や抵抗を感じている場合は、寮生活が大きな負担になる可能性があります。

一方で、本人から「環境を変えたい」「知らない場所で始めてみたい」という希望が出ている場合は、資料を見る、説明会に参加する、現地を見学するといった段階から始めてみるとよいでしょう。

寮のある高校を選ぶときは「学び方」と「暮らし方」を分けて考える

寮や下宿は、子どもが生活する場所です。寮に入るだけで、高校卒業資格を取得できるわけではありません。

高校卒業を目指す場合は、どの高校に在籍し、どの課程で学び、どのような条件で単位を修得するのかを確認する必要があります。

高校の課程には、主に全日制・定時制・通信制があります。一方、寮や下宿は生活する場所、フリースクールは学校外の居場所や学びの場です。

このように、「学び方」と「暮らし方」は別の分類です。通信制高校に在籍しながら寮で生活するなど、複数の仕組みが組み合わされる場合もあります。

高校卒業には、学校が定める教育課程を履修し、必要な単位を修得することなどが求められます。文部科学省の学習指導要領では、卒業までに修得させる単位数を74単位以上としています。

寮やフリースクールの有無だけでなく、在籍する高校と卒業までの仕組みを確認しましょう。

全日制高校・通信制高校・寮・フリースクールの違い

「全日制・定時制・通信制」は高校での学び方を示す区分です。一方、「寮・下宿」は暮らし方を示し、「フリースクール」は学校外の居場所や学びの場を指します。

同じ種類の選択肢ではないため、進路を考える際は「どの高校・課程で学ぶか」と「どこで暮らすか」を分けて確認することが大切です。

全日制高校

原則として平日の日中に登校し、授業やホームルーム、学校行事などに参加しながら高校卒業を目指します。

不登校経験がある場合は、出席や単位認定の条件だけでなく、欠席したときの対応や学習支援も確認しましょう。

定時制高校

夜間や昼間など、学校が定めた時間帯に登校して高校卒業を目指します。

学校によって授業を行う時間帯や修業年限が異なるため、通学方法や一日の過ごし方を確認する必要があります。

通信制高校

レポートの提出、スクーリングへの参加、試験などを通して単位を修得し、高校卒業を目指します。

登校頻度は学校やコースによって異なり、週5日通うコースもあります。課程名だけでなく、実際の登校日数や学習支援の内容を確認しましょう。

寮・下宿

自宅を離れ、学校の近くなどで生活するための住まいです。高校の課程や卒業資格を示すものではありません

学校直営の寮だけでなく、民間の学生寮や地域住民が運営する下宿を学校が指定している場合もあります。運営者、食事、生活ルール、学校との連携を確認しましょう。

全寮制高校

原則として生徒全員、または多くの生徒が寮で生活する仕組みを採用している高校です。

「全寮制」は高校の課程を示す言葉ではありません。全日制・通信制など、どの課程で学ぶ学校なのかを別に確認する必要があります。

フリースクール

学校以外の居場所や、学習・体験活動の機会を提供する施設です。フリースクール自体は高校ではありません

高校卒業を目指す場合は、どの高校に在籍するのか、通信制高校などと連携しているのか、卒業に必要な学習をどのように進めるのかを確認しましょう。

不登校経験者にとっての寮生活のメリット

不登校を経験した子どもにとって、寮生活は、これまでとは異なる環境で生活リズムや人との関わり方を少しずつ整えていくきっかけになることがあります。家庭や以前の学校から適度に距離を置き、同年代の仲間や身近な大人と日常をともにすることで、新しい役割や居場所を見つけやすくなる場合もあります。

ここでは、不登校経験者にとって寮生活がどのようなメリットにつながるのかを、僕の経験も交えて解説します。

生活に一定のリズムが生まれやすい

起床や食事、登校の時間が決められている環境では、一日の区切りをつくりやすくなります

自宅では起きる時間や食事の時間が不規則になっていた子どもにとって、新しい生活リズムをつくるきっかけになる場合があります。

地元の環境から距離を置ける

以前の学校や人間関係から物理的な距離を取ることで、新しい場所で人と関わりやすくなる子どももいます。

周囲に自分の過去を知る人が少ない環境が、「ここでは一から始められる」という安心につながる場合があります。

僕にとっても、これが一番大きかったと思います。誰も自分の中退を知らない場所で、もう一度自己紹介から始められたことに救われました。

家族以外の人との関係をつくれる

寮下宿の管理人や同じ場所で暮らす生徒など、家族以外の人と日常的に関わることになります。

困ったときに相談できる相手や、安心して話せる相手が増えることで、家族だけで問題を抱え込まずに済む可能性があります。

学校生活と日常生活をつなげやすい

学校と寮下宿が連携している場合は、学校での様子と生活面の変化をあわせて見守ってもらえます。

登校状況だけでなく、食事や睡眠、人間関係、気持ちの変化などを含めて相談できる環境かどうかが重要です。

寮生活を検討する際の注意点

寮生活は、生活リズムを整えたり、周囲と関わりながら自立心を育てたりするきっかけになる一方で、すべての子どもに合うとは限りません。

親元を離れて共同生活を送るため、生活ルールや人間関係、体調面の支援、緊急時の対応などを事前に確認しておくことが大切です。ここでは、寮生活を検討する際に確認しておきたいポイントを解説します。

環境の変化そのものが負担になることがある

学校、住む場所、人間関係が一度に変わるため、慣れるまでに時間がかかることがあります。

最初は登校できていても、緊張が解けたころに疲れが出たり、欠席が増えたりする可能性もあります。

僕も、入学直後は気を張って通えていたのに、少し慣れた頃にどっと疲れが出ました。あのとき「もう一度崩れた」と決めつけられていたら、続かなかったと思います。

「入寮後は毎日登校できること」を当然の前提にせず、つまずいたときの支援を確認しておきましょう。

一人になれる時間が少ない場合がある

相部屋や集団生活では、学校から帰ったあとも人と一緒に過ごす時間が続きます。

人間関係に疲れやすい子どもや、一人で落ち着く時間が必要な子どもにとっては、大きな負担になることがあります。

個室か相部屋か、部屋以外に静かに過ごせる場所があるかも確認しましょう。

家族と離れる不安や寂しさがある

本人が家を離れたいと希望していても、実際に生活を始めると寂しさや不安を感じることがあります。

電話やオンライン通話のルール、帰省できる時期、保護者との連絡方法などを事前に確認しておくことが大切です。

授業料以外の費用がかかる

寮生活では、授業料や学校諸費用に加えて、寮費、食費、光熱費、生活用品、交通費、帰省費用などがかかります。

月額費用だけでなく、入学から卒業までの総額を見積もっておきましょう。

不登校経験者が寮のある高校を選ぶ7つのポイント

不登校経験がある子どもが寮や下宿のある高校を選ぶ際は、学校の知名度や進学実績だけでなく、実際の学び方や生活環境まで確認することが大切です。

ここでは、入学前に確認したい7つのポイントを紹介します。

1.高校の課程と卒業までの条件を確認する

最初に確認したいのは、どの高校に在籍し、どの課程で卒業を目指すのかです。

全日制高校、定時制高校、通信制高校では、授業の受け方や登校頻度、単位の修得方法が異なります。

また、サポート校やフリースクールは、高校と同じ仕組みではありません。提携先や同時に在籍する高校がある場合は、それぞれの役割を確認しましょう。

説明会や個別相談では、次の点を尋ねておくと安心です。

  • 卒業資格はどの高校から取得するのか
  • 卒業に必要な単位と出席条件
  • 進級の条件
  • 欠席が続いた場合の対応
  • 転入や編入時に引き継げる単位

2.課程名だけでなく実際の一日を確認する

全日制高校は毎日の登校が基本ですが、授業時間や支援体制は学校によって異なります。

通信制高校にも、週に数日または週5日通学するコースがあります。

「全日制だから厳しい」「通信制だから通いやすい」と決めつけず、実際に何時に起き、何時に登校し、どのような授業を受けるのかを確認しましょう。

本人がその生活を具体的に想像し、「これなら続けられそう」と感じられるかが重要です。

3.遠方から来る生徒への支援を確認する

全国から生徒を募集している学校であっても、遠方から来る生徒への支援内容はそれぞれ異なります。

次のような点を確認しましょう。

  • 体調不良時に誰が病院へ付き添うのか
  • 保護者への連絡は誰が行うのか
  • 長期休暇中も寮下宿に滞在できるのか
  • 帰省できない場合はどのように過ごすのか
  • 災害や急病時の対応
  • 転居や寮下宿の変更が必要になった場合の対応

地元から遠い学校ほど、緊急時の対応を具体的に確認する必要があります。北海道の冬に体調を崩したときのことを思い返しても、ここは事前に聞いておいて損のない項目です。

4.学校と寮下宿の連携方法を確認する

寮生活で重要なのは、部屋と食事が用意されていることだけではありません。

学校での様子と、寮下宿での生活が、必要に応じて共有されているかを確認しましょう。

たとえば、学校では元気に見えていても、寮下宿では食事を取れず、疲れていることがあります。反対に、寮下宿では落ち着いていても、登校への不安を抱えている場合もあります。

僕も、学校では平気な顔をしていた時期に、下宿の人のほうが先に気づいてくれたことがありました。両方から見てもらえる環境は、本人が言葉にできない時期ほど効いてきます。

学校と寮下宿の運営者が、どのような場面で情報を共有し、誰が本人や保護者と話すのかを聞いておきましょう。

5.欠席や学習の遅れへの支援を確認する

不登校期間があると、「授業についていけるだろうか」と不安を感じる子どももいます。

基礎から学び直せる授業があるか、質問しやすい環境か、欠席した授業をどのように補うのかを確認しましょう。

学力面に加えて、次の点も重要です。

  • 朝起きられない日の対応
  • 保健室や別室を利用できるか
  • テストを受けられなかった場合の対応
  • 欠席が増えた場合の単位や進級への影響
  • 再び登校が難しくなったときの相談先

「不登校経験者を受け入れている」という言葉だけでなく、実際に困ったときの対応を具体的に聞くことが大切です。

6.卒業までにかかる費用を確認する

寮や下宿のある高校では、授業料のほかにもさまざまな費用がかかります。

  • 入学金
  • 授業料
  • 施設費や教材費
  • 寮費や下宿代
  • 食費や光熱費
  • 制服や生活用品
  • 通院や日用品にかかる費用
  • 本人の小遣い
  • 帰省時の交通費
  • 保護者が学校へ行く際の交通費や宿泊費

寮費に食事や光熱費が含まれているか、土日や長期休暇中にも食事が提供されるかなど、費用の内訳を確認しましょう

就学支援金や奨学金を利用できる場合もあるため、実際の自己負担額を学校へ相談することをおすすめします。

7.本人と一緒に学校・寮下宿を見学する

寮や下宿は、入学後に毎日過ごす生活の場です。

保護者にとってよい学校に見えても、本人は雰囲気が合わないと感じることがあります。反対に、保護者が不安を感じていても、本人が「ここなら生活できそう」と思える場合もあります。

見学時には、校舎だけでなく、次の点も確認しましょう。

  • 学校と寮下宿の距離や通学方法
  • 個室か相部屋か
  • 食事の内容や時間
  • 風呂、洗濯、掃除の方法
  • スマートフォンやゲームのルール
  • 門限や外出の決まり
  • 一人で落ち着ける場所
  • 体調不良時の対応
  • 服薬や通院の支援
  • 寮内の人間関係に困ったときの相談先
  • 休日や長期休暇中の過ごし方

見学後は、「入学するかどうか」をすぐに決めるのではなく、本人が何を安心に感じ、何に不安を感じたのかを話す時間を取りましょう。

北星余市の全日制高校と寮下宿という選択肢

寮や下宿のある高校を探している家庭にとって、北星学園余市高等学校は選択肢の一つです。僕自身が、この学校の卒業生です。

北星余市は、北海道余市町にある全日制普通科の共学校です。

生徒の約6割が不登校経験者であり、全校生徒の約8割が学校指定の余市町内の民間寮・下宿で生活しています。

全日制普通科の高校に毎日通う

北星余市は、フリースクールや生活支援施設ではなく、高校卒業を目指して通う全日制普通科の高等学校です。

生徒は原則として平日に登校し、授業やホームルーム、学校行事などに参加しながら高校生活を送ります。

分かる授業を工夫し、不登校経験者も安心して授業を受けられる環境づくりを特色の一つとして挙げています。

そのため、毎日の授業や行事を含む全日制の高校生活を送りたいと考えている子どもにとって、検討できる進路の一つです。

学校直営ではなく、地域住民が運営する寮下宿

北星余市の「寮下宿」は、学校が直接管理・運営する一般的な学生寮とは異なります。

余市町の一般町民が管理人となって運営し、学校が指定寮として認定しています。町民の家にホームステイするような、家庭的な環境が特徴です

寮下宿の管理人は、住居や食事を提供するだけでなく、学校と協力しながら生徒の生活全般を見守る存在とされています。

ただし、規模や部屋、設備、生活ルール、管理人の方針は寮下宿ごとに異なります。

僕が暮らした場所と、同級生が暮らした場所では、雰囲気もルールもまったく違いました。「北星余市の寮下宿」と一括りにせず、本人に合う場所を実際に見て選ぶことが重要です。

全国から集まる生徒と新しい関係を築ける

北星余市には、北海道内だけでなく、全国各地から生徒が集まります。

地元を離れて余市町で暮らすことは、本人にとって大きな環境変化です。以前の学校や人間関係から距離を取り、新しい人たちと関わるきっかけになる場合があります。

一方で、家族と離れる寂しさや集団生活への負担、北海道の冬、帰省にかかる時間や費用なども考える必要があります。

よい面だけで判断せず、本人が実際の学校生活と寮下宿生活を受け入れられそうかを確認しましょう。

北星余市の学費・寮下宿費

北星余市の学費は、入学時に約26万円、月額授業料が3万8,000円、月額施設整備費が1,500円です。

これとは別に、生徒会費、PTA会費、教材費、研修費などがかかります。国の高等学校等就学支援金の対象となる場合は、世帯収入などに応じて授業料の実質的な負担額が変わります。

寮下宿費は、月額約6万5,000円から7万5,000円前後です。施設設備など、全員から一律に徴収するものは寮費に含まれ、平日は3食の提供が原則です。

ただし、食事、洗濯、設備、休日の対応などは、寮下宿によって異なります。

また、次の費用も見込んでおく必要があります。

  • 入寮時に必要な生活用品
  • 本人の小遣いや日用品代
  • 通院や薬にかかる費用
  • 自宅と北海道を往復する帰省費用
  • 保護者が学校や寮下宿を訪れる際の交通費・宿泊費

費用は掲載時点から変更される可能性があるため、検討時には必ず学校や希望する寮下宿へ最新情報を確認してください

北星余市への相談から入学・寮下宿決定までの流れ

1.資料を確認する

まずは学校案内や北星余市のWebサイトを見て、教育方針や学校生活、入試、費用、寮下宿の仕組みを確認します。

本人がすぐに資料を見たがらない場合は、保護者が先に情報を集めても構いません。ただし、最終的には本人にも学校生活の内容を伝え、意思を確認することが大切です。

2.学校説明会や個別相談に参加する

説明会や個別相談では、現在の在籍状況や欠席の経緯、本人の希望、不安に感じていることを相談します。

欠席日数や学力だけで進学を諦めず、入学後にどのような支援が受けられるかを具体的に尋ねましょう。

3.学校と寮下宿を見学する

北星余市を検討する場合は、学校だけでなく寮下宿も見学することが重要です。

寮下宿ごとに管理人や生活ルール、設備、人数、雰囲気が異なります。本人が実際に管理人と話し、生活する場所を見たうえで判断しましょう

4.入試・出願条件を確認する

中学校卒業後の新入学だけでなく、現在高校に在籍している場合は転入、すでに退学している場合は編入の扱いを確認します。

北星余市では、年度途中の転入を随時受け付けており、定時制高校や通信制高校からの転入も可能です。ただし、在籍状況や修得単位などによって条件が変わるため、個別相談が必要です。

5.入学と寮下宿を決める

学校の合格とあわせて、入居する寮下宿を決めます。

費用や設備だけでなく、管理人との相性、同居する人数、生活ルールなどを踏まえて、本人が安心して暮らせる場所を選びましょう。

寮のある高校に関するよくある質問

ここでは、寮のある高校を検討する際によくある質問に回答します。入寮できる条件や費用、寮生活のルール、不登校経験がある場合の受け入れ、途中で寮生活が合わなかった場合の対応など、事前に確認しておきたいポイントを整理しました。

Q.不登校経験があっても寮のある高校に入学できますか?

不登校経験者を受け入れている高校はあります。

ただし、入試や受け入れ条件、転入・編入の扱い、寮への入居条件は学校ごとに異なります。

欠席日数や学力だけで自己判断せず、現在の状況を学校へ伝えて相談しましょう

Q.全寮制高校と寮のある高校は違いますか?

全寮制高校は、原則として生徒全員、または多くの生徒が寮で暮らす仕組みを採用している高校です。

一方、寮のある高校では、自宅から通う生徒と、寮や下宿から通う生徒が一緒に学ぶ場合があります。

また、寮が学校直営とは限りません。民間の学生寮や地域住民が運営する下宿を学校が指定しているケースもあります。

Q.通信制高校の寮と全日制高校の寮は何が違いますか?

主な違いは、寮ではなく高校での学び方です。

全日制高校は原則として平日の日中に登校します。通信制高校は、レポート、スクーリング、試験などを通して卒業を目指します。

通信制高校でも週5日通学するコースがあるため、課程名だけでなく、実際の登校頻度や日中の過ごし方を確認しましょう。

Q.寮に入れば毎日登校できるようになりますか?

寮生活を始めても、すぐに毎日登校できるとは限りません

環境の変化がきっかけになる子どももいますが、新しい学校や共同生活への緊張から、疲れや不安が強くなる場合もあります。

僕自身、環境を変えたことで立て直せた側ですが、それでも一直線ではありませんでした。欠席したときに責められず相談できるか、学校と寮下宿がどのように対応するかを確認することが大切です。

Q.親元を離れさせることが心配です

心配に感じるのは自然なことです

寮下宿の管理体制、学校との連携、保護者への連絡方法、体調不良時の対応、門限や外出のルールなどを確認しましょう。

実際に見学し、本人と保護者の双方が、不安や疑問を管理人や学校へ伝える機会をつくることが大切です。

Q.寮生活にはどのくらいの費用がかかりますか?

費用は、学校や寮によって異なります。

授業料とは別に、寮費、食費、光熱費、生活用品、交通費、帰省費などがかかるため、月額だけでなく年間総額で確認しましょう

Q.中学生のうちから寮のある高校を探すのは早いですか?

早すぎるとは限りません

中学2年生や3年生の段階から進路の選択肢を知ることで、本人や保護者の不安が軽くなる場合があります。

ただし、早く決断することが目的ではありません。資料を見る、説明会に参加する、見学するといった段階を踏みながら、本人の気持ちを確認しましょう。

Q.高校在学中でも転入できますか?

年度途中の転入を受け付けている高校もあります。

転入できる学年や時期、引き継げる単位、卒業時期は、現在の在籍状況によって異なります。

北星余市では年度途中の転入を随時受け付けていますが、個別の状況によって条件が変わるため、まずは学校へ相談してください

まとめ:学校と生活環境の両方を本人と確認しよう

寮や下宿のある高校は、不登校経験がある子どもが、これまでとは異なる環境で高校生活を始める選択肢の一つです。

ただし、家を離れれば必ず登校できるようになるわけではありません

高校の課程や卒業条件に加え、学校と寮下宿の連携、欠席したときの対応、共同生活のルール、学習や人間関係への支援まで確認することが大切です。

北星学園余市高等学校では、全日制普通科の高校へ通いながら、余市町内にある学校指定の民間寮下宿で生活できます。

学校直営の学生寮とは異なり、地域の管理人が家庭的な環境のなかで生徒の暮らしを見守る点が特徴です。

僕が今こうして働けているのは、17歳のときに住む場所ごと環境を変えられたからだと思っています。ただ、効いたのは「寮に入ったこと」そのものではなく、そこで出会った大人たちでした。

まずは学校と寮下宿を実際に見学し、本人が「ここなら生活できそう」「この学校に通ってみたい」と感じられるかを、親子で確かめてみてください。

>>北星余市の資料請求・学校見学・個別相談はこちら

参考資料

PAGE TOP