三週間の教育実習

2026.07.28 コラム

54期生

水上建

TAKERU MIZUKAMI

私は教育実習を通して、生徒たちに対して自分は何ができるのかを考え続けた。実習が進むにつれ、クラスの雰囲気に不満を持ち、心の中にくすぶりを抱えている生徒がいることを知った。そのときに思い出したのは高校時代に担任に言われた「自分一人でできることなんてたかが知れている」という言葉だった。だからこそ、不満を抱えている子を一人にせず、同じような思いを持つ仲間がいることを可視化し、彼らをつなげることにした。それがきっかけとなり、お互いが感じていることや考えていることを言い合える関係がクラスの中に少しずつ広がっていくのではないかと期待した。
三週間という短い期間では、不満を持つ子同士をつなげるところまでしかできなかった。その後の彼らの変化を見届けられなかったのが心残りだ。
私は大学では、人付き合いをあまりせず、本ばかり読んでいたが、教育実習を通して生徒と関わることが非常に楽しくなっていた。正直「授業さえなければ、この準備時間を生徒との関わりに使えるのに」と思ったほどだ。もちろん授業をないがしろにしたわけではない。歴史の授業では、はじめから「自分のやりたいことをやっていい」ということを保証してもらった。こんな学校はなかなかない。私は一年間大学を休学して沖縄に滞在し、体験的に学んできた。そのとき痛感したのは、「こんなに声を上げている人がいるのに、“本土”には届いていない」という現実だった。だからこそ、学んだことを人に伝え、沖縄の基地問題を“日本全体の問題”として考える機会を作りたいと考えた。授業では、日本と沖縄の関係を軸に近現代史を扱い、沖縄で噴出している問題の背景と経緯を伝えた。
一方的で眠たくなる授業も多かったと思うけれど、みんな耳を傾けてくれた。また改善点を指摘してくれたり模擬授業に参加してくれたりした子たちもいた。与えたものよりも、生徒たちとの関わりから与えられたものの方が圧倒的に多かったが、彼らに少しでも何か心に引っかかりを残せていたら嬉しい。
最後に、忙しい中で私を受け入れてくださった先生方、本当にありがとうございました。そして温かく迎えてくれたクラスのみんな、本当にありがとうございました!

文・写真:水上建

 

プロフィール

水上建 | Takeru Mizukami

54期生。修学旅行をきっかけに沖縄に関心を持ち、基地問題を学ぶために大学に進学。そんな私が24歳の現在、アクティブに韓国でワーホリ中!……のはずが、なぜか現地で主夫生活。ワーホリ主夫という謎の現在地、次の一歩は自分でもわかりません!

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