北星余市を紹介、生き方を考えるウェブマガジン
ひね
伊藤葉子
YOKO ITO
アメリカ留学一年目。途中から二つ上の広島出身の女の子が同じホームステイ先にやってきた。この子がえらい面白い子で、広島弁で捲し立てるようによく喋る。地元でヤンチャしてたらしく、豪快なエピソードと、ちょっとヤンキーテイストな服装と、アクセサリー、大量の化粧品、香水。ホームステイ先のオレンジカウンティに来る前に少し滞在していたというサンディエゴに一緒に行くと、そこのかなり年上の友達にも同等に「何しよんな!はーどうしようもないのー」とバッサリ、しっかりつっこんでて、15年の人生の中で見た事ない、豪快で愉快な女だった。その豪傑っぷりは言葉が違っても伝わるみたいで、まだ英語は大して喋れないのに学校に行きはじめたら直ぐに、男の子からちょいちょい電話がかかってきてるのを、羨ましそーに眺めてた私。結局その子は春頃には(アメリカは夏に終業式)日本に帰国する事に。数ヶ月間の短い関わりだったけど、毎晩の様にお喋りし、時には筋トレ、禁断のヘビーな夜食など、共に過ごした時間は私に大きな影響を残したのだった。そしてその夏、日本に一時帰国した時には彼女に切ってもらったまんまの、サイドにレイヤーの入った元ヤンヘヤー、工藤静香の歌を振り付けつきで歌え、六本木心中の合いの手を完コピし、横浜銀蝿を銀蝿って呼ぶほどに出来上がってしまってた。ま、一見だけど。カリフォルニア留学1年目終了の仕上がりがこうなるとは誰も予測できんかったやろな。ゆり!元気してる?
文:伊藤葉子
伊藤葉子 | Yoko Ito
「ひね」の愛称で呼んでもらってる伊藤葉子です。英語や海外の文化に触れながら交流できる「イングリッシュカフェ」を開き、総合講座で「世界文化をのぞいてみよう」を担当し、放課後は子供達の英会話教室を開催しています。高校3年間をカリフォルニアで、その後ニューヨークで12年程過ごし、余市町に拠点を移しました。大阪出身。