教育実習生として北星余市へ

2025.02.17 コラム

卒業生で教育実習生

西田テオ

TEO NISHIDA

私は2024年8月22日に数年ぶりに北星余市に帰った。だが今回は教育実習生としてである。教育実習生は高校生から見ると先生であるが、先生としてのスキルを上達させる、学ぶ立場でもある。教育実習生の活動期間中に生徒は本来の先生の授業を受ける事が出来ず、代わりに未熟な状態である実習生の授業を受ける事になる。「あんたが実習をする事によって生徒の学ぶ時間を奪っている自覚を持った状態で来なさい」と事前に指導教官に言われたこともあり、私は本気で生徒のためになり生徒の学ぶ時間を奪わず、より生徒が学ぶ事が出来る授業にしようと覚悟を決め、「高校生が現代社会に疑問を持つこと、社会の在り方について考えるきっかけをつくること、世界の広さに気づくこと」を授業の目標とし「、言語と宗主国」「世界の宗教分布」「パレスチナをめぐる対立」「フランスへのアラブアフリカ移民とその子孫」「国籍法」「日本にも存在するルーツが原因で起きている差別」「日系ブラジル人(ブラジルへ移民した日本人と帰ってくる子孫)」「自国軍に迫害されるミャンマー人」「日本の難民受け入れの実態」を題材に選定し、9コマ×4クラスの授業構成を組み立て、教材を作成した。
私が社会科に興味を持ち、学んでいる背景には、当時北星余市の2年生であった私が、現在既に退職されている吉田先生の授業を受けたというきっかけがある。彼の授業では現代社会に存在する様々な問題を扱う事で、生徒が現代社会に疑問を持つきっかけを得る事が出来る授業であった。私はこれに加え、北星余市卒業後にフィリピンに2か月、フランスに3週間、台湾に10日程滞在した経験から、生徒が世界や社会の広さやに気づき広い視点を持ってほしいという思いで授業をした。
私の思いがどれほど生徒たちに届いたのかは未知数であるが、私の授業が彼らにとって社会に興味を持つきっかけになれば嬉しく思う。

文:西田テオ

 

プロフィール

西田テオ | Teo Nishida

2021年に北星余市を卒業した54期生。北星余市在学時代に持った興味を学ぶべく京都精華大学へと進学したものの、学問は学べば学ぶほど興味が出るもので北星余市在学時に比べ何倍もの興味が出ている。大学卒業後は自らのアイデンティティを確立するためにフランスに渡ります。

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