カメラマン美穂子
表紙写真の裏ばなし

2025.02.17 コラム

カメラマン

辻田美穂子

MIHOKO TSUJITA

星しんぶんも発行から6年が経ち、今号で20号となりました!星しんぶんの表紙では、学校内でのさまざまな人間関係を紹介してきましたが、今回はその中でも一番登場回数の多い生徒会に、この記念すべき20号の表紙を飾ってもらいました。
北星余市の生徒会は、とにかく忙しい。年間行事は5月からほぼ毎月あり、さらにその合間には昼休みや放課後に行われる生徒同士の交流会も企画しています。これだけのイベント数の打ち合わせとなると、当然、毎日話し合いが行われます。寮や家につくのは門限近く。もちろん、本業の勉強にもフルコミットです。そんな大変な生徒会ですが、これがまた人気のポジションなのです。
生徒会ってどんな印象?と1年生に聞いてみたところ、「入学したばかりで不安な日々を送っている時に優しく声をかけてくれたり、一研(一年生研修会。入学して初めての校内行事)で一緒に歩いて励ましてくれたりする、めちゃくちゃ頼りがいのある存在」なんだそうです。私も初めて北星余市の撮影に行ったのが一研の時でしたが、騒いでいる子のそばに行って声かけをしたり、困っている子に寄り添ったりと、先生の指示は一切なく、自分たちで考え行動している姿を見て衝撃を受けました。個人のケアもしつつ、その場全体を盛り上げ雰囲気作りをしている姿は、本当に「リーダー」と呼ぶにふさわしいのです。
しかし元々デキる子が生徒会になるのか?と聞かれれば、全員が全員そうではないと思います。人前に立つのが苦手な子もいれば、そもそも人と関わること自体が苦手な子もいます。しかし、みんなの前に立って学校の楽しい雰囲気作りに奮闘する先輩を見ているうちに、自然と「自分もああなりたいな」「やってみようかな」という気持ちになっていくのだそうです。それくらい影響力のある生徒会は、北星余市で代々受け継がれてきた「集団の中で学び、育ち、成長していく」という理念を全力で体現し、継承し続けている貴重な存在だと思います。

文・写真:辻田美穂子

 

プロフィール

辻田美穂子 | Mihoko Tsujita

大阪から移住した写真家。道南のせたな町在住。北星余市でのたくさんの出会いを通して人生がかわったひとりです。パンフレットなど学校の広報物の写真を撮っているので、見かけたら「みほこー!」と声をかけてください!

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