経験を豊かにする、イベントや取り組み 2019.9.10

進路カフェ企画 だるま森+えりこさんのトークライブ

だるま森ワールド全開のお部屋でお二人の経験してきたことをお話いただきました。

高崎 麻美

みなさん、こんにちは。
本校では今週末に北星祭を控えていて、今日の午後から授業をカットし本格的に北星祭の準備が始まります。
担任の先生は買い出しやら何やらで校内・校外を飛び回ります。生徒たちも今まで話し合ってきた頭の中にあるものを、これから形にしていき、黙々と作業の日々が続きます。
きっと、途中で「これが足りない!」とか「やっぱりこうしよう!」とか、それに対して「こうした方がいい!」などなど、様々な意見が飛び交うことでしょう。きっと、思い通りにいかないことの方が多いと思うけど、それも乗り越えて頑張ってほしいなぁ〜なんて思いながら、みんなの準備の様子を見守りたいと思います。
準備の写真は後日、またお伝えするとして、、

今日は先週の水曜日に行われた、だるま森+えりこさんのトークライブの様子をお伝えしますよ。
8/31〜9/8まで、1階の教室を使って「だるま森のヘンテコ大博覧会」も開催されていました。
博覧会はこ〜んな感じに。廊下もだるま森さんワールド全開でした。
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ね、不思議でまさにヘンテコでしょ?でもついつい見入ってしまう、だるま森さんの作品の数々。
どうやって作られているんだろう〜。この色合い素敵だなぁ。これはどんなことを考えながら作られたんだろう?と、見れば見るほど引き込まれて行きます。
休み時間や放課後に生徒たちもこの教室にお邪魔してだるま森さんとセッションしたりしてた様子。
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そして、水曜日に迎えた進路カフェ企画と称しだるま森+えりこさんのトークライブ「ヘンテコな私たちの生き方」
いつもは本校の生徒のみなのですが、今回はどなたでもご自由に!ということで、地域の方々も数名来てくれました。
北星祭の準備もあったりで生徒はちょっと少なかったですが何人か来てくれましたよ。

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今回、だるま森+えりこさんのお二人には今こうして二人で活動するにまでのお話しや、子ども時代に感じてきたことなど、たっぷり1時間半ほど話していただきました。

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お話ししていただいた内容を全部お伝えしたいのですが、難しいので簡単にお二人の経緯をご紹介。

えりこさんは、子ども時代から物事をハッキリ言ってしまうところがあり、人とぶつかることが多かったそう。
洋服の専門学校に進学し、アパレル業界に就職しました。
そんな中、だるま森さんに出会い、世の中にこんな人がいるんだと驚いたそうです。
出会うまでは生きることに興味がなかったと言っていたえりこさんですが、だるま森さんと出会い、その考えは変わったそう。
その出会いはきっと、えりこさんにとっては衝撃的だったのでしょう。そんな風に思える方と出会えたことは、まさに「運命」の様な感じがしてしまいますね。

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そして、だるま森さん。
親から何も言われず好きなことをずっとさせてもらえていた子ども時代だったそうです。
「え、羨ましい!」と一瞬思いますが、そんなだるま森さんは世の中に出る時に「この先どうやって食べていけばいいのか分からない」と不安になったそうです。
そして、絵を描き続けたいけど、どうしていいのか方法が分からない!と悩んでいた学生の頃にコンクールに出展した審査員の先生が大阪にいたので押しかけて弟子入りし、その後、広告代理店に勤めニューヨークに行き仕事をしていたことも。そして、日本戻ってきたらデビューが決まりアトリエを与えてもらったり、浮かれていたわけですが、色んな取材がくる中で「これは絶対続かないな」と思い不安になりました。
不安になっただるま森さんは「明日、会社を辞めてニューヨークに行く」と言い出し、1年間お金を貯めて2人で5年間ニューヨークに行ったそうです。

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そして、日本に戻って来てからえりこさんは他の方と一緒にアパレルメーカーを立ち上げ7年半店舗を構えていました。
その一方で、だるま森さんはその内舞台に立つ様になり、えりこさんももっと自由にやりたい、自分がだるま森ワールドに助けられたからみんなにも伝えたい!と思い、2002年の終わり頃から「総合工作芸術家だるま森+えりこ」として、お二人で活動するようになりました。

終始、だるま森さんがお話ししている時に横で見守っているえりこさんの表情が温かく、お二人でいることの大切さや、お二人で今まで乗り越えて来たものの大きさを垣間見た気がしました。

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お二人とも子ども時代から生きづらさを抱えていたと言います。
それでも、自分を信じ、自分の気持ちに素直に生きてきたからこそ、今の素敵なお二人がいるのだなと思います。
もちろん、周りに理解してもらえない時や衝突する時もあったかもしれませんが、自分にも周りにも正直に生きることで見ていてくれる人はいるし、そうやって生きていたら理解してくれる人や助けてくれる人は必ず現れるのだと思います。
そこで投げやりにならず、人のせいや世の中のせいにもしたりせず、自分たちの求めているものや好きなことに真っ直ぐで、そしてそれに対し自分たちで行動を起こし表現し周りに伝え続けていることが本当に素晴らしいと感じました。
少しでも多くの方に、お二人の作品に触れて欲しいですし、公演もあるので是非見てほしいなと思います。
やっぱり、生で見るのと見ないとでは大違いですよ〜。

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そして、だるま森さん最後にこんなことも話してくれていました。

「ニューヨークにいた時に、アフリカンダンスも習っていました。その時に自分達で作った楽器を持って演奏したりダンスをするワークショップをやっていて、そこに参加したら帰り際その中にいる長老に耳元で『これは俺たちの音楽だから。お前は日本に帰って自分の音楽を作りなさい。』と言われた。その時にショックだったのは、今までかっこいいからということでアフリカンのドラムとか楽器とか自分のルーツじゃないものを簡単にパクって器用な部分で喜んでた。絵もヨーロッパの要素を取り入れたりしてた。創作家なのに、パクるという行為を普通にしていた。なぜそこに疑問を持たなかったのだろう。自分の中で出来上がったものを人様に見せる。そうしないと世界に出た時に民族の人たちと一緒に自慢しあえない。対等に喜びあえない。」

これが、今でもだるま森さんの根っこになっているそうです。
自分の中のアイデンティティというか何というか、、そういったもの全てを覆されるような言葉ですね。
だるま森さんはしばらくその言葉が頭から離れなかったそうです。
私もハッとしました。果たして自分の中にこれと言える核の部分があるだろうか。世の中にある様々なものや出来事に対して、目を向けているだろうか、とだるま森さんのお話を通じて考えさせられました。


お二人とも貴重なお話ありがとうございました!
7日には公演も行われ多くの方にご参加、ご協力いただき本当にありがとうございます。みなさん楽しんでいただけたでしょうか?
またこの地で会えることを願って・・・

 

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