経験を豊かにする、イベントや取り組み 2022.3.11

進路カフェ 〜世界の文化に触れる大切さ

自分の知らない世界をのぞいてみようー。

高崎 麻美

こんにちは。
卒業式が終わり、1.2年生は期末テストも終わり、今日は終業式です。
あっという間に1年間が終わってしまいますね〜。
ここ連日、日中は陽射しもあり、気温も5℃ぐらいあるので、雪もかなり溶け始め、やっとアスファルトが見えてきました!
本州の冬の気温と変わらないですが、ずっとマイナスの気温で雪が降り続いていた時と比べると、とても暖かく感じます。早く春がこないかな〜。

さて、今日は先週行われた進路カフェの様子をご紹介します。
進路カフェとは、不定期にゲストをお呼びして、その方が今までどのような道を歩んできたのかを知ることで、生徒たちにとって新たな道や気づき、選択肢が広がることを目的としています。
「進路」というと、大学や専門学校、就職と思い浮かべる方が多いと思いますが、それも含めて進路とは生き方だと思います。
どのような生き方をしたくて、それらを選ぶのか。選択肢は多い方がいいです。

新型コロナウィルスが蔓延する前は2ヶ月に1回程のペースで様々な方に来てもらっていたのですが、ここ2年間ぐらいはあまり外部から人を呼ぶことが出来ずにいました。
久しぶりの進路カフェのゲストには、総合講座の講師もしてくれているひねさんこと、伊藤葉子さんをお招きしました!
新型コロナウィルス蔓延前、ひねんさんは1週間に1回、放課後にイングリッシュカフェというものを開いてくれていて、海外で15年間過ごしていた自身の話も交えながら世界の文化や価値観に触れ、手作りケーキを食べて楽しくお喋りしたり、たまにお菓子作りなどのイベントもしたりするなど、生徒の居場所になっていました。

そんなひねさんが進路カフェでしてくれたお話を、ご紹介します。


ひねさんは高校3年間はカリフォルニアに留学していて、そのあと少し日本にいましたが、その後ニューヨークに住んでいました。
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学生時代は勉強が苦手。その中でも英語が一番苦手だったというからビックリです。
髪型や持つ鞄の指定などなど、学校が決めたルールが何のためのルールか理解できない。そんな疑問を持ちながら過ごした中学校生活。
進路を決めなくてはいけない時期に差し掛かった時。日本での高校生活を想像したらうんざり感しかなかったひねさんの元にアメリカ留学の話が舞い込んできました。知らない所で、知らない人たちと全く予想できない生活が始まるかもしれない、、ひねんさんは「これや!」と思ったそうです。
知らない所で、知らない人たちと、、なんだか北星に少し似ていますね。

カリフォルニアの公立高校に入学したひねさん。そこでのルールは、尖ったアクセサリーは危ないから持って来たら駄目、外見に対するルールはなし。一番駄目なのは暴力。場合によっては退学。など、分かりやすいものでした。
こうやって分かりやすく説明してもらえるとスッキリしますね。

英語が苦手で、英語が勉強したくて留学に行ったわけではなく、違う環境に行きたくてカリフォルニアに行ったわけですが、少しずつ英語がストレスになっていきます。
先生も生徒も、ホストファミリーも、テレビも何を言っているのか分からない。宿題も何か出されてるらしいけど、それが何なのかは全く分からない状態。聞き方も分かりませんでした。
日本語に飢えていて、どうでもいい独り言を喋ったり、薬の説明書を端から端まで読んでいたりしたそう。
私ならこの時点で日本に帰っているかもしれません。。そもそも、英語が苦手なのに環境を変えたくて海外に!って思考がすごいなぁ〜。

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少しずつ友達ができていく中で、当たり前と思っていた事が国が違うと当たり前じゃない!こんなに違うんだということを知ったようです。
食事の作法や、挨拶の仕方など。ひねさん自身も「こうでなきゃいけない!」という感覚が取り払われました。
これは海外でなくても、自分の常識が相手の常識だと思ったらそうではなかったりと、普段の人間関係の中にもありますよね。

英語が話せると色んな国で道具として役に立ちますが、友達を作りにはまだ必要な事がありました。
その一つは共通の話題。音楽や映画やファッションが好きだったひねさんは、その好きなもののお陰で友達作りが出来たようです。
好きなことがあるのは大きな武器。それがあれば、将来色んな共通の話題を抱えた友達が世界中に見つかるかもしれない。
特別好きなものがない人は、よそ見したり寄り道したり、ふらふら探してみて。色んな事に手を広げたり、何かに夢中で没頭する事は大事。とも話してくれました。

そんなこんなで高校を卒業し、日本に帰って就職しましたが、お金を貯めて再び海外へ。
次に選んだ場所はニューヨークでした。

ニューヨークは色んな国から人が集まっている街でした。どんな街だったのか話してくれましたが、ここでは残念ながら割愛させてもらいます。
ニューヨークで知り合った余市出身の方と結婚し、アメリカ生活の何でも商品になる消費社会に嫌気がさしはじめ、余市に移住する事になりました。

ひねさんが世界の文化に触れる事が何でそんなに大切かと思っているかというと、

「自分が色んな国の出身の人と会って感じた、当たり前が当たり前でなくなる開放感を是非色んな人と共有したいと思ってるから。」
知らず知らずの内に身に付けていた「当たり前」が取り払われた時、やっと自分の頭で考える事が出来るんやないかと。
私自身正直未だに周りに流されそうになることもあるし、常に自分の考えで生きるなんて、いい歳してても難しかったりする。でも、色んな文化に触れることで、少しは思い込みとか、みんな言ってるからみたいなことに、流されないで踏みとどまる助けにはなると思う。

あと、文化という生活に根ざしたところで色んな国々を知ると、より人間臭く、その国の人を身近に感じることが出来ます。
何か世界で事件が起きても、どこかの国の人が、何か言ってる、何かやっている、ではなく、自分たちと同じように笑ったり、お腹が空いたり、悲しくなったり、ネットゲームやったり、そんな自分たちと同じような感情を持った人間なんだって事を、よりリアルに想像できる様になるんじゃないかなって思ってます。
その人たちをよく知らないだけで、心のないような悪魔みたいな人間を人って空想で作ってしまいがちやから。知ることは世界平和の一つの道やと思ってます。

話を聞いていると、なんだか北星に少し似ているなと思います。
ひねさんも「この学校で色んな子と関わるのは、違う文化に触れる大きい第一歩やろなと思う」と最後に話してくれました。
環境が違うから、経験してきたことが違うから、見た目が違うからという理由で、目の前の相手や周りと関わらないのではなく、まず知ろうとすることが大事なのかもしれませんね。
そして、違う価値観や考えや文化に触れることで、今まで自分一人では考えることや見ることの出来なかったものが、見えてくるのではないでしょうか。

イングリッシュカフェは4月から久しぶりに再開予定です!
ひねさんの話や海外に興味のある人、是非放課後遊びに行ってみてくださいね。きっと、いい刺激になるはず!海外以外の話もおもしろいですよ〜。
ひねさん、ありがとうございました!

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