みんなが作る道の先には、どんな景色があるのかなー。
高崎 麻美
みなさん、こんにちは。今日の余市もお天気が良く、気持ちが良いです!やっぱりお天気が良いと、それだけで何だか気分が上がりますね〜。(私だけかな、、)
今日は水曜日なので本校は4時間授業です。4時間だと、みんなやっぱり嬉しそう。あと2日行けばお休みなので頑張りましょう!
現在、本校には56期卒業生の2名が教育実習に来ています。今日はその実習生が全校礼拝で話してくれたお話しをお届けします。
今のみんなにはどう感じ取れたかな。
教育実習が始まって、1週間が過ぎました。明日はいよいよ初めての授業なので、結構緊張しています。
実習が決まって高濱先生から、 全校礼拝をやってと言われて、 何を話そうかなーって結構考えました。 何を伝えたいだろう、何が伝えられるだろうといろいろ考えて、まとめて今ここに立っています。
今回話す内容は、 人によってはピンと来ないかもしれません。それでも、 出来る限り伝わるように頑張って考えてきたので、ぜひ耳を傾けてほしいです。では始めます。

俺は今、大学でワンダーフォーゲル部という部活に入っています。厳密には少し違うんですが、まあ登山部みたいなものだと思ってもらえれば大丈夫です。今日は、なんで俺が登山を始めたのか、そして登山を通して感じたことについて話したいと思います。
大学に入ったばかりの頃、 俺はラクロス部に入っていました。大学では結構人気のあるスポーツです。でも、練習のしすぎで体を壊したり、人間関係がうまくいかなかったりして、2ヶ月くらいで辞めてしまいました。
それからの1年間は、大学に行って帰って、YouTube を見たり映画を見たりする毎日でした。他のサークルも少し見ましたが、結局どこにも入りませんでした。
今振り返ると、かなり無気力だったと思います。
大学生になれば何か変わると思っていました。でも実際は何も変わらないように感じていました。友達もあまりいなくて、「俺、何やっているんだろうな」とか、「なんかもう嫌だな」とか、そんなことばかり考えていました。毎日を過ごしてはいるけれど、どこか空っぽな感じがしていました。
そんな中で、1年生の春休みに「なんとなく沖縄に行きたいな」と思って、1人で2週間くらい旅行することにしました。
特に細かい計画も立てず、本当に行き当たりばったりの旅でした。その旅の終わり頃に訪れたのが、西表島です。イリオモテヤマネコで有名な島ですね。
ただ、実際に行ってみると、本当に森と海ばかりで、当時は運転免許も持っていなかったので、正直やることがあまりありませんでした。
それでスマホで調べていたら、「クーラの滝」という場所を見つけました。歩いて2時間くらいで行けそうだったので、行ってみることにしました。ちなみに、西表島ではガイドなしで森に入るのは基本的に良くないので、皆さんが行く時はちゃんとガイドをつけてください。遭難するので。
そんなわけで道路を歩いて、森に入って、草木をかき分けながら進んでいきました。勘で道を選びながら進んでいたんですが、運よく迷わずに滝へたどり着くことができました。
そこで見た景色は、今でも忘れられません。冷たい滝の水。森の匂い。川のせせらぎ。鳥の鳴き声。手つかずの自然。
その時に、「なんか冒険したいな」と思ったんです。
それで調べたら大学にワンダーフォーゲル部があったので、入部しました。そんな感じで、なんとなーく登山を始めました。
でも、実際の登山は想像以上に大変でした。
重い時だと 20 キロ近い荷物を背負って何時間も歩きます。急な坂もあります。雨が降ると足元は滑るし、暑いんだか寒いんだか分からなくなります。テント泊も快適とは程遠いです。狭いし、寝返りも打ちにくいし、はっきり言って臭いです。だから今でも登山の前日は結構テンションが下がりますし、歩いている最中も「きついな」と思うことばかりです。
それでも続けている理由があります。
それは、一歩一歩歩いていけば、必ず目的地に着くからです。
どれだけ遠く見える場所でも、一歩ずつ進んでいけば近づいていきます。そして登り切って振り返ると、自分が歩いてきた道が見えます。「あそこから来たのか」と思う瞬間があります。その時に感じる達成感とか感動が、すごく好きです。
あと、登山をしていてもう一つ思うことがあります。
山に入ったら、もう歩くしかないということです。苦しくても、疲れていても、進むしかありません。なぜなら、山の中にずっと居続けることはできないからです。天気も変わるし、日も暮れるし、何もしないまま立ち止まり続けることはできません。 もちろん、緊急時はどこかにテントを張って夜を過ごす場合もありますが、いずれにしても進まなければなりません。だから結局、一歩一歩進むしかないんです。
それで、これって人生でも似たようなことがいえるなと思います。
この世界は、どうあっても一日一日が勝手に過ぎ去っていきます。過去は変えられないし、時間が止まることもありません。そんな中でも、 前に進んでいないように感じることがあります。何も変わっていないように思うこともあります。
でも実際は違うと俺は思います。山の景色が毎日、変わっていきます。同じ山の同じ道を歩いても、その都度違う景色が見えます。完全に同じ瞬間、同じ場所なんて、存在しないんです。
それと同じように人生も少しずつ変わっています。自分では止まっているつもりでも、確実に前へ進んでいます。
今、「自分は何も出来ていない」とか、「前に進めていない」と思っている人がいるかもしれません。
そんな人たちに俺が伝えたいのは、大丈夫、進んでいるということです。
先が見えなくても、空っぽに感じても進んでいます。その一歩一歩には意味があります。他の人となんて比べなくて良いんです。山でも歩く速さは人それぞれです。 歩幅も体格も違うんだから当然です。 速い人もいれば、ゆっくりな人もいます。でも、ゆっくり歩いた人の方が次の日元気だったりすることもあります。
何が良いかなんて、分からないことの方が多いです。
人生も同じだと思います。やりたいこと、 頑張りたいこと、それに必要なことは頑張る。ほどほどでもいいし、全力投球でもいい。疲れたら休む。何もしない時間も、ただ休む時間も、あなたの人生のかけがえのない一歩です。だから、自分なりの人生を楽しみながら生きてほしいです。そしていつか、自分が歩いてきた道を振り返ってみてください。きっと「ああ、ここまで来たんだな」と思える日が来ます。
その時には、今感じている悩みも不安も葛藤も空っぽに思えた日々も、 そのすべてが自分だけの道だったと思えるはずです。そして、その先にはきっと、とても美しい景色が広がっていると思います。
卒業して大学生活を通して登山をする中で色々と気づきがあったのですね。
遠回りに見えることにも意味があるし無駄ではない。それぞれのペースで自分の道を進んでいってほしいです。
きっと在校生にも思いは届いているはずです。素敵なお話ありがとうございました!