気付けば30年、
挑戦の始まり

2023.07.18 コラム

猫がいる下宿

福士栄子

EIKO FUKUSHI

丁度30年前、兄が事故を起こして半身不随になり入院。その面倒を私が見ることになってしまいました。2年過ぎた頃、病院から「これ以上は良くならないので、退院を考える様に」と言われ、どうするか相談して、介護するための家を余市町に建てることになります。当時1人暮らしの母を引き取り、兄と私と主人の4人の生活が平成8年1月に始まりました。ここから本当の介護に挑戦です。

兄と話し合って、毎日のリズムを崩さないように時間を決め、自分達の介護のスタイルを作り上げました。1年過ぎた頃、母が癌になり余命1年の宣告を受けました。何か出来ないかと思って考えたら、母は内孫を知りませんでした。私もギリギリ高齢出産で行けるかもと願いつつ、子作りに挑戦。奇跡は起きた。娘が出来ました♪ 無理かもと思っていたので、本当に嬉しかったです。みんなも喜んでくれました。

奇跡はまだあります。母の余命1年が、3年持って「孫と栄子達との生活が、今1番幸せ」としみじみ言ってました。母は幸せのまま旅立って行きました。少しは親孝行ができたような気がします。

娘も成長し、小学校に入学。それと同時に主人が単身赴任になり、私1人介護と子育て。何か物足りない。何か仕事したい。と思っていたときに、北星余市の下宿募集を見つけて応募しました。すぐに決まり、平成17年から2人受け入れ、下宿への挑戦が始まりました。2人から始めた下宿も3人4人と増えて行き、仕事も慣れた頃、平成28年に兄が他界。20年の自宅介護から解放されました。

下宿1本になり、リフォームもして人数を増やし、現在は12部屋になりました。下宿の仕事は大変ですが、子ども達が安心して生活できるよう、背中を押しながら成長を見守っています。これからも私の挑戦は続くでしょう!

文・写真:福士栄子/イラスト:石田愛実

 

プロフィール

福士栄子 | Eiko Fukushi

平成8年東京から猫を連れ主人と余市町に移住。ここからが私の挑戦本番です。介護しながら仕事には行けないので、広報で家で出来る仕事を見つけて始めたのがこの下宿。猫がいる下宿として頑張ってます!

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