カメラマン美穂子
表紙写真の裏ばなし

2023.03.02 コラム

写真家

辻田美穂子

MIHOKO TSUJITA

写真を撮られる時って、こうしたいと思っても実際はなかなか思ったとおりに写りませんよね。今回はそんなギャップを埋めるのに苦労した話。毎回特にテーマは決めずに撮っているのですが、今回は「アウトロー」がテーマ。私が背景に写る段ボールを動かして雑然とした雰囲気をつくっていると、「アウトローってことね!」と誰かが言ったので、自然と決まりました。アウトローの意味を調べてみると、無法者。つまり「ワル」ってことですが、今回のメンバーは、休み時間になるとこの職員室のソファに集まって、トランプなどのゲームや物ボケをして遊んだり、ただただおしゃべりをしているほっこりチーム。悪そうな雰囲気を醸し出すのは、なかなか大変だったようです。まず向かって左側のソファに座っている愛大くん。堂々とした座り方が大御所ラッパーのようだったので、そのまま姿勢をキープしてもらいました。その隣のソファに座っている京右くんは、すべてを受け入れる仏様のような、優しいアルカイックスマイルがなかなか消えません。「俺、口角上がってるから常にこの顔なんすよ~」とのこと。それはそれですてきだけど、今回のテーマはアウトロー……仏とは対極にあるものですね。最後はサングラスをかけ隙間からにらみを利かせて、物の力に頼りました。その後ろの歩くんは、私が悩んでいると「こんな感じは?」と提案してくれたポーズがバチッとハマったので、すぐに決まりました。たまたまつけていたアクセサリーがワイルド感を演出しています。一番左の宮尾くんは、私の「デコボコさせたい」というオーダーに、「こんな感じ?」とソファの横に腰掛けてくれました。シャッターを切って、みんなで写真を確認してみると、宮尾くんの足が美脚であまりにも優雅に組まれていたので、「アウトローじゃなくてマダムやん!」とのツッコミが。その結果、後ろから歩いてきて、どかっと座るということを何度か繰り返し、足への意識を減らしてもらいました。撮っては確認を繰り返すうちに、目指しているものが見えてきたようで、みんなの一体感が頼もしい撮影でした。

星しんぶんが始まった頃は、私がすべてポーズの指示をしていましたが、最近はこうして話しながら、少しずつ微調整してみんなでつくり上げています。「一緒にやってみたい!」という方……ぜひ声をかけてください!

文・写真:辻田美穂子

 

プロフィール

辻田美穂子 | Mihoko Tsujita

大阪から移住した写真家。北星余市でのたくさんの出会いを通して人生が変わったひとりです。今年の春に余市からせたなに引っ越して子育てしながら、時々赤ちゃんを背負って撮影に出かけています。

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