「本の紹介」星しんぶん 第7号
[2020年7月発行]

2020.07.20 コラム

2020年7月発行

星しんぶん

hoshiii


とことん夢中
になれる遊び

このおばあちゃんは、作者の本当のおばあちゃんです。おそらく、第一次世界大戦前後、旧ロシア政府の強権的な弾圧から逃れて、ニューヨークへ移民としてきたのでしょう。おばあさんは、水道屋のルイスと結婚して、子どもが生まれ、ギャングから仕事をもらったりしながら、自分もお金を稼ごうとポーカーを習い始めたのでした。そして、勝つのが大好きで、ギャンブルが底無しに強くなったのです。たぶん、ぜんぶ本当の話。強烈な個性と肝の据わったおばあちゃんの魅力がたまりません。とことん夢中になったポーカーで、おばあちゃんはいろんなところへ出かけていきます。カードがあれば、どこでも誰とでもできますからね。それに、本当に生活費を稼いでいたに違いありません(いまやったら違法です!)。おばあちゃんは、自分の熱中していることを仕事に変えて生き延びてきました。きみは、人生を切り拓けるほど夢中になれる遊びを持ってますか? 今なくても、いつか出会うことができるかもしれません。楽しみ!

『ギャンブルのすきなおばあちゃん』

ダイヤル・カー・カルサ作/ごとうかずこ訳/徳間書店

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変哲のない毎日

土曜の休日、セーラとペッカは、朝からタバコ屋でサッカーくじをはじめました。たまたま出会ったジャクソン夫人が市場へ行くというので、2人も一緒に市場へ行って射的場で遊び始めます。そして、ぶらぶら散歩をしてからおうちへ帰る。おそらくこれは、セーラとペッカにとっては、何の変哲もない日常なのかもしれません。このおかしな2人組。日常の中から、面白みを生み出す感覚が抜群です。文字だけでは到底伝えられないので、読んで!

『セーラとペッカの運だめし』

ヨックム・ノードストリューム作/菱木晃子訳/偕成社

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いたずらしてる?

遊びでも「やっちゃいけないこと」って確かにある。でもさ、「やってもいいけど、誰もやらないこと」ってのもあるでしょ? そこがいたずら好きにはたまらないフィールドです。クックとプッケはそこを狙って『とことんいたずら』を仕掛けます。真剣に勇気あるいたずらをしてる2人が痛快です。遊びって、何かに果敢に挑戦している状態のこと。ふざけないで真剣に遊べば遊ぶほど楽しい。そして、ちょっと危ないなってくらいがドキドキします。

『クックとプッケ4とことんいたずら』

エルジェ作/ほりうちもみこ訳/冨山房

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やってから言え

とにかくやってみないうちは
何を頭で考えたってうそさ
やってやって 納得いくまでやれ
自分の好きなことをね
好きなことをやりなよ
それが納得いくまでさ
ほんとに
やりなよ
やってから言えよ
それに言うな!
もう何も言わない男になりな

『17歳のポケット』

山田かまち作/絶版

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