勉強はほどほどに、皆さんよい旅を。

2019.11.01 コラム

3KG代表

佐々木信

SHIN SASAKI

グラフィックデザイナーとして働き始めて、かれこれ20年くらい経ちました。どんな仕事かというと、企業のロゴや、広告や 、ウェブサイトをつくっています。この星しんぶんは僕たちがデザインしているんです。僕は昔から旅が好きで、働き始めてからもできるだけ本拠地を決めずに、一箇所に根を張らずに、いつでもどこでも仕事ができるように生きてきました。30代で自分の店をオープンしてからはそうも言っていられなくなった時期があったんですけれど。駆け出しデザイナーの頃からコンピュータはノート型と決めています。居場所が決まってしまうのが嫌でデスクトップは買いません。MacBookを開いたところがその日の仕事場。公園だったり、フェリーに乗って海の上だったり、雲の上だったり、東京だったり、バンコクだ ったり、ロンドンだったり。て、僕以上に旅が好き。8歳の息子は、僕の撮影だ、妻の仕入れだと、国内外あちこち連れ回され、「家庭の事情」でよく学校を休みます。彼が最初にパスポートを取得したのは生後6ヵ月。ホーチミン、ソウル、台北、バンコク、チェンマイとアジア各地を旅している息子は、旅を通じていろいろなことを理解しているようです。例えば、国が変われば言語が違うこと、通貨が違うこと。言葉は違っても気持ちは通じること。機内食のカートがまわってきたら「アポージュース」と言えば飲みたいものが手に入ること。台北を訪れたら小籠包とかき氷は欠かせないこと。タイには王様がいてカオニャオ・マムアンというココナツミルクで炊いた餅米とマンゴーのデザートが美味しいこと。そして、バックパックを背負って世界中を旅している若者たちがいること。気候も、景色も、匂いも、味も、言葉も違う街で、いつもと同じように朝起きて、コーヒーを淹れて、ごはんを食べて、散歩して、読書して、他愛のない話をして、一杯のんで、寝る。僕が息子に伝えたいのは、テストで高得点を取るコツでも、サッカーでも、ピアノでもありません。旅をすること。予想外のことが起こった時に自分で判断して乗り越える力。文化が違っても言葉が違っても友だちがつくれること。息子が良い旅をする青年になるといいなぁ。そして北星余市の学生の皆さんも。LCCの登場でアジアの旅は劇的に安くなりました。東京へ行くより安いなんてことも。皆さん、良い旅を。

文・写真:佐々木信

 

プロフィール

佐々木信 | SHIN SASAKI

3KG代表。学生時代は札幌のミニシアターで映写技師として勤務。サッポロスマイルや、AIR DOのマスコットキャラクター、ベア・ドゥをデザインしました。

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