リュックひとつで旅に出る
─ミニマリスト入門 自立と依存編─

2019.11.01 コラム

(有)札幌第一こどものとも社/取締役

藤田進

SUSUMU FUJITA

旅は身軽が一番。いつも身軽であること。これ僕の憧れです。いつからなのか荷物は最低限がかっこいいって思ってる。何にも持たずに旅に出られたら一番いいのですが、結局、旅先で買ったりしてお金がかさむので、自分に必要なものは持っていかねばなりません。巨大なトランクケースに思いつくままに詰め込むのもありですが、いつも使っているものをささっとカバンに詰めて、自分で背負えるくらいの気軽さと、いつでも旅立てるくらいの身軽さがいい。だって、自分が生き抜くために必要な物が自分で背負えるくらいの量だったら最高じゃないですか? このバックパックひとつあれば、どこでも生きていける。それに、いつでも旅にでることができる。そういうようなミニマム(最小限)であることへの憧れがあります。ミニマリストってやつです。ミニマリストは、ついつい「自分が生きていくためになくてはならない道具はなんだろう?」なんてことを考えてます。そして、気をつけなければならないことは、「こんな場面に遭遇したら、これがないと切り抜けられない!」とか、あまりにも非日常な空想をして、ほぼ使うことのない道具を揃えてしまうことです(笑)。その空想に欠如しがちなのは「他力」です。当然、自力で解決しなくてはならないことはありますが、普段の生活では多くが誰かの力を借りて解決しています。人に頼ることができないと重たい荷物をたっぷり背負うことになってしまうので注意が必要。ミニマリスト初心者にありがちなことですね。熟練したミニマリストは、自分に足りないものをよく知り、そして、人に頼る潔さを身につけています。極めると何も持たずに旅にでることができるそうですよ。

文:藤田進

 

プロフィール

藤田進 | SUSUMU FUJITA

(有)札幌第一こどものとも社/取締役。
20代から庭と、こどもと、絵本にとりつかれ、いまだその間を行ったり来たりしている。学生時代は旅人に憧れながらも、土から離れられない農民になり、鶏や豚や植物たちと一緒に過ごす。その後、札幌に戻り、絵本とおもちゃ屋になりました。札幌の庭ビルを運営中。

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