教育実習生の西田テオ先生から、生徒たちにお礼とメッセージです。
今堀 浩
8月22日から教育実習に来ていた、54期生の西田先生が、放送礼拝を担当しました。
この3週間、授業やHRだけではなく、職員室で生徒といろんな話をしたり生徒会執行部にも参加したり。自分の在学中の経験や卒業してからの考え方をいろんな場面で伝えてくれました。生徒たちも、ちょっと前を歩く先輩の姿に刺激を受けていた様子です。以下、今日の礼拝の原稿(の一部)を載せます。ぜひ読んでみてください。
なお、この日に読まれた聖書は、マタイによる福音書7章7節でした。
「求めなさい。そうすれば与えらえる。探しなさい。そうすれば見つかる。門を叩きなさい。そうすれば開かれる。誰でも、求めるものは受け、探すものは見つけ、門をたたくものには開かれる。」
今日の放送礼拝は教育実習生のテオが担当します。みんなには教育実習生としてのおれと、ここの卒業生としてのおれから2つ話がしたい。
おれは教育実習生として北星に4年ぶりに帰ってきて、いい意味で予想を裏切られた。
来る前に授業を準備している段階では、「授業全然聞いてくれんかったらどうしよ」「授業中にずっと生徒たちが大きい声で無駄話をして、注意してもやめんかったらどうしよ」「映像授業のプロジェクターを乗っ取られて生徒たちに好き勝手いろんな写真を流されたらどうしよ」…。こんなに準備したのに授業を邪魔されて授業が成り立たへんかったらどうしようという心配を実はしていました。
なんでそんな心配をしていたかというと、実際に全部おれが過去にここでやったことがあるからです。授業をする側になって、そして長時間かけて授業を準備する側になって自分の過去の行いがとても申し訳なくなっています。あの頃授業を担当してくれていた先生たち「本当にごめんなさい」
そんな予想をしながら教育実習が始まった初日、おれはびっくりした。「え、まじで?」が多分限りなくリアルな感想。俺が見渡す視野には、寝ている数人を除いてほぼ全員が前を向いて私語がほとんど聞こえない教室があった。授業が始まっても目が合う生徒たちで本当に授業がやりやすかった。授業まじめに受けてくれてありがとう。
今回の実習で9コマを4クラス、計36コマやった中で日に日に授業のやり方をつかんできた実感があった。裏を返せば最初はうまくやれんかった。にもかかわらず文句を言わずに真剣に授業を受けてくれて、発表もいっぱいしてくれたみんなのおかげで授業のクオリティーも上がっていったし、おれは気持ちよくこの3週間を終える事が出来る。あらためて1A、1B、3A、3Bの子達ありがとう。
つぎにここの1卒業生としてみんなに伝えたいことがある。それは「人生は選択の連続」であるという事。みんなが今ここで俺の話を聞いているのもみんながそれを選択したから。みんなが今ここにいるのは今朝に学校に来るという選択をして、その通りに行動したから。別に山岡家に行ってから遅刻して学校に来る選択も、もっと言えば朝一の飛行機で地元に帰る選択も出来たわけやけどしなかった。そのおかげでみんなはここにいる。結局のところみんなの置かれている状況は自分の選択してきた物事の結果であると思っている。
おれはその選択をみんなには将来間違えすぎないでほしいと思ってる。北星にいる間は間違えすぎんかったら何とでもなる。謹慎になるようなことしても正直に言って、謹慎に行ってしっかり反省できればここの先生たちはまた受け入れてくれる。またよくない方によくない方に行っている子にはその段階で気づいてくれて止めてくれる。ここの先生の面倒見は本当にすごい。
ただ卒業してからは自分たちで選んだ選択の結果がもろに自分に帰ってくるようになる。
おれの同期で仲良かった子の一人に選択を間違え続けた子がいる。
その子は北星卒業後に専門学校に進んだんやけど、その学校をやめてから一気にあかん方へあかん方へと流れていった。
ただおれらもそいつの状況をただ傍観していたわけではない。よくやらかす子やったけど純粋な子どもみたいな子やった。
そいつが専門学校を辞めると言った時には、みんなろくな事にならへん事をわかりきってたから説教するために沖縄にある涼子の9.2畳のアパートに10人以上が集まって説教した。
ただそいつはおれらの言う事を聞かないという選択を採り続けた。言った直後はわかったつもりにはなってるけど、北星の人以外と会うと全部忘れてた。
こうなった原因や背景は多くあるけど一番はそいつ自身が選択を間違え続けたからでしかない。どこかで気づいてれば、どこかで涼子や俺らの話を聞いていればこうはならんかったと思ってる。
みんなには将来選択を間違えすぎないでほしい。その間違った選択はいずれ自分に帰ってくるから。北星を卒業したら自分の将来に責任をもって生きてほしい。それまでは選択を間違えすぎんかったら何とでもなるこの環境で思う存分楽しんでほしい。そしてどの選択をしたらよいかわからない時は信用できる人に相談してほしい。
改めてこの三週間ありがとうございました。 西田テオ