経験を豊かにする、イベントや取り組み 2019.7.5

弁論大会 〜自由の部

7人の弁士のご紹介です!みんなの言葉に考えさせられました。

高崎 麻美

昨日に引き続き、今日は弁論大会2日目に行われた自由の部に出場した7名の弁士のみなさんをご紹介します。
多くの生徒が今まで自分が体験してきたこと、それを通じて自分なりに考えたことを聴衆に投げかけていました。そんな風に考えて過ごしていたのか!普段は気がつかなかったけれど、そんな風に物事を捉えていたのか!私自身も考えさせられる部分が多くありました。みなさん本当にお疲れ様でした。
それでは7名の弁士のご紹介です。

_MG_6601
_MG_6634
_MG_6645
_MG_6669
_MG_6713
_MG_6721
_MG_6739
そして、自由の部の優秀賞に輝いたのは3年A組の木村純大くんと1年A組の大野英太郎くんの2名でした。今日は木村純大くんの弁論をご紹介したいと思います。
木村くんの弁題は「形だけの常識を破ったショウウインドウ」です。弁題からしてもどんな中身なのかが気になりますね。それではお届けします。


「形だけの常識を破ったショウウインドウ」

小さいころから周りとは違うという違和感を感じていた。だが周りの意見に合わせないといけない風潮が広がっていた。言いたいことを言ったら「空気を読めない奴」扱い。そのおかげで何でも疑ってかかるようになった。みんながいいというものをあえてやらず、駄目というものをあえてした。そこでは話のわかる幼馴染が親友だった。

 親友とは毎日夜遅くまでたまっていた。みんなで朝になるまで遊んでいた。駄目と言われることをあえてして遊んでいた。その時の自分はある意味輝いていた。気の合う仲間たちとやりたいことだけやり、やりたくないことは何もしなかった。その時はそれが良かったし最高の時間だった。

 けどその時間はすぐになくなった。
きっかけは薬物だ。
みんな捕まってしまい地元の仲間たちは今ではばらばらになってしまった。

 
仲間がばらばらになってやっと気づいた。


自分たちは周りと違うというくくりで行動してるだけで、結局は同じく仲間内の空気を読んでつるんでいるだけだったのかもしれない。
自分が本来どうすべきかをよく考えなくなっていたのではないか。本物の疑ってかかるということは、ただアンチをやることではなく、あることについて突き詰めることではないだろうか?

 例えば日本は法治国家だから法律で決まっているから従う。これは表面上いいことにみえるが、実際は思考を停止しているのではないだろうか?
あるとき先生に民法で決まっている結婚の年齢が男女違って決まっていることの理由を聞いてみた。ちなみに現行の民法では男性18歳、女性16歳である。
すると男には責任があり女性を守る立場にあるから、男の方が年齢が高くなっているのではと答えられたのだが、ではイギリスでは男女同じ年齢だというと先生は絶句していた。ちなみにこちらは男女とも16歳である。

 このように決まったことへの思い込みは大人でもするものだ。

 みんなと同じようにやっていると、なんとなくそれでいいとなってしまい、本当に自分がやりたいことや、知っておいたほうがいいことを突き詰めていくことがなくなるのではないかと考えた。

 これからの世の中はみんなが出来ることはたいてい機械がするようになると言われている。
他の誰でもない自分にしか出来ないことを見つけたほうがいいのだ。

_MG_6666

 私は将来ディーラーになりたいと考えている。みんなはディーラーと聞くと車のディーラーをイメージすると思うが自分のなりたいディーラーはカジノでカードを配る人のことだ。こう聞くと多くの人はギャンブルを仕事にするのかと眉をひそめるだろう。
しかしこれが思い込みなのだと思う。ディーラーとはなんなのかをよく知らずに、イメージだけで言っているのだ。

 最初の関わりは親父に教えてもらったことだ。
はじめは意味が分からなかったがやっていくうちに楽しくなっていった。半年くらい練習して初めて大阪の公式の大会に出た。
競技はテキサスホールデムポーカーというもので、自分の持ち札を相手にどう思わせるかなどの駆け引きがエキサイティングですごく面白かった。
はじめての大会でいきなり少年の部2位になった。その次に出た東京の大会では大人もまざっての5位になった。

 なぜこんな成績を出せたのかを考えてみると、自分には駆け引きすることが得意だという強みがあることに気づいた。
駆け引きをするというとまた、あまりよくないイメージをもたれるかもしれない。
しかし駆け引きでは、今を分析して、先のことを予測する力が必要だ。自分の言いたいことややりたいことを突き詰めていき、多くの人は当然そうするだろうということを引っくり返してみる。こう考えると、小さいころに周りに合わせろと言われたりしたが、本当にそうしていたら、この力は失っていたかもしれない。

 もちろん人の意見や考え方も大事だけど、自分を突き詰めることで本当になりたかった自分が見つかるのではないかと思っている。
これからもこうすべきだということにただただ乗っかるのではなくて自分でそれをどう考えるかを大切に進んでいきたい。


「 みんなと同じようにやっていると、なんとなくそれでいいとなってしまい、本当に自分がやりたいことや、知っておいたほうがいいことを突き詰めていくことがなくなるのではないかと考えた。」
この言葉に私もドキッとしてしまいました。勝手に「これはこういうものだ」と決めつけ、「なんで?」と聞かれると答えらないことがあったりします。目の前にあることをそのまま受け入れるのではなくて、自分の頭で考えることが必要ですね。考えることをやめた時、人って本当にダメになるなと最近思います。

こんな素敵な弁論をしてくれた木村くんは、昨日ご紹介した宮田くんと共に全道大会に出場することになります。
2人も頑張ってね。

PAGE TOP