学校が先か、放課後が先か

2021.07.14 コラム

しがない浪人生

椎﨑賢太郎

KENTARO SHIZAKI

学校という縛りから解放してくれる、学生にとって貴重な存在、それが放課後だ。過ごし方は人それぞれだろうが、その時間の過ごし方に人となりが出るもの。せっかくなので私の放課後の過ごし方を共有しよう。

私は中学と高校の上半期は大阪で過ごした。その頃は本当に自堕落に暮らしていた。友達はゼロではなかったし、それなりに楽しいものだったが、特別これといって思い返すようなこともない。歳を重ねればそんな日常ですら美化できるのかもしれないが、今の私にはまだできない。勉強熱心な学校だったので、やるべきこととして、ある程度勉強には取り組んでいた。この頃の放課後は当時の自分にとって所詮学校の延長線でしかなかったのだ。不登校の私には放課後は不要な存在だった。

北星に来た当初も勉強ばかりしていた。それしかすることがなかったのだ。そんな私の殻を破ってくれたのが生徒会企画「スコーン作り」だ。いやいや参加した私に優しく話しかけてくれ、北星の生徒の面白さを伝えてくれたのだ。実はそこで一緒にスコーンを作った女の子とお付き合いをすることになるのだが、それはまた後の話である。このことを皮切りに、だんだんと他の生徒とも関わるようになり、気がつけば友達と一緒に過ごすことが自分のやりたいことになっていた。クラス役員の仕事をしたり、友達とごはんを食べに行ったりと、いかにも青春といった放課後を過ごして初めて、自分にとっては学校生活の方が放課後の延長線上であるということに気がついた。

最後にこれを読んで哀愁に浸っている紳士淑女の皆様に朗報です。Wikipediaによると、なんと放課後とは時間の概念を持たないものであるらしく、つまりは最後の授業が終了した瞬間から、我々は放課後真っ只中にいるということらしい。そんなことを考えていると、ふと高校時代の友人と語らいたくなる、そんな私なのであった。

文・写真:椎﨑賢太郎

 

プロフィール

椎﨑賢太郎 | Kentaro Shizaki

しがない浪人生。関西にいた頃より面白くなくなっただの、元気な高校生を見ると父性が湧いてしまうだの、悩みのつきない18歳男です。好きな赤ちゃん言葉は「よしよし」です。

 

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