料理×デュエマ
自分の生きたい/行きたい方へ向かうためのカードを集めて、
最強のデッキを作りたい

2018.12.15 コラム

アルティメット料理人

石橋康廣

YASUHIRO ISHIBASHI

料理人、石橋康廣です。

料理人と言っても、ホテルの料理長、寿司職人、レストランのオーナーシェフなど、環境によって現場でやることは様々です。僕は一人でお店をやっているので、料理はもちろん、お金の管理や接客など、大きなレストランでは数人が分担する仕事を全て一人でやっています。

全部一人でやる、その醍醐味

一人で全部って大変だと思われがちですが、実はめちゃくちゃ楽しいんですよ。最近、息子の影響でデュエルマスターズ(以下:デュエマ)というカードゲームにはまっていて、店の経営に役立っています。デュエマは、クリ ーチャーや呪文カードを組み合わせながら戦うゲーム。 40枚1セットの「デッキ」を持って試合に臨みます。カードの組み合わせは自分次第、自由自在。少し視点を変えると、まるで自分の居酒屋の経営のように思えます。

居酒屋経営×デュエマ

僕が使っているデッキでいうと、初動はだいたい「ジョジョジョジョーカーズ」。僕の店では生ビール。席に着いたらまずは乾杯です(笑)。目玉商品はさしみの盛り合わせ500円。その日に市場で仕入れたものや、旬のものを日替わりで。うに、ヒラメ、かんぱち、牡蠣のコンボなんていう日もあります。正直、利益にならないですが、お客さんが「また来たい」と思ってくれれば嬉しいです。さしみ盛り合わせは「ジョットガンジョラゴン」。こいつがいれば僕のゲームは大丈夫、みたいな(笑)。お酒を卸してくれる酒屋さん、野菜や魚の仕入先である市場の方たちは僕の「パーリー騎士」。店のコンセプトに協力してくれたり、行き詰まった時に僕を支えてくれる存在です。

こうしてひとつずつ自分で選びながら、今のデッキを作り上げました。このデッキには、「自ら狩猟で採ってきたものを提供できること」「漁師の経験から魚の知識が豊富にあること」、「マラソンで鍛えた健康な体のおかげで、一人でも営業が辛くないこと」という誰にも負けないカードが揃いつつあります。

少しだけでいい、視点を変えてみる

僕はデュエマで鍛えた「戦略」を自分の仕事に当てはめましたが、デュエマに限らず、今皆さんが夢中になっていることや、置かれている状況、そしてそれを乗り越えたという経験は、必ず将来役立つカードになります。例えば、運動部で培った体力。美術部で3年間絵を描き続ける集中力。生徒会で立てた企画をプレゼンする説得力。これから社会に出ていくと、勝手がわからず不安になったり、人間関係で悩んだりすることがあるかもしれません。そんな時は少しだけ視点を変えてみてください。自分の手持ちカードを思い出してください。社会の王道から一度外れてしまった僕にとっては、勝率が高いとされる「OTKジョーカーズ」よりも「赤ジョーカーズ」の方が性に合います。メインストリームではないけれど、これを使って結果を出したいし、できることを増やしながら、自分だけの最強デッキが組み上がっていく過程はワクワクします。今、僕の目の前にあるバトルゾーンは、自分のお店。皆さんも自分だけのデッキに自信と愛着を持って、社会というバトルゾーンで思う存分闘ってください。

文:石橋康廣/写真:辻田美穂子

 

プロフィール

石橋康廣 | YASUHIRO ISHIBASHI

1986年生まれ。100万人に1人の男を目指すアルティメット料理人。札幌市北区で居酒屋「酔九屋」(つくもや)を経営。使用デッキは「赤白ゴゴゴブランド」

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