北星余市だから「できること」

20年以上前から、不登校生・中退生を受け入れ、卒業まで導いています。
当時まだ不登校という言葉が一般的ではなかった時代から、私たちは学校に行くことのできない子供を受け入れてきました。「小学校から学校に行けなかった、けれど高校からはがんばりたい」「高校をやめてしまった。けれど、もう一度、高校生活を送りたい。そして卒業したい」当時はそういう子供たちの行き場所がありませんでした。
私たちはそんな時代から、挫折を経験した子供たちに寄り添い、向き合いながら、全日制普通科の高校として教育を営んでいます。
全日制・普通科の高校だからこそ、身につけられる力があります
ここ数年、不登校・高校中退を経験した子供たちの再チャレンジする場所が増えています。
通信制高校や定時制高校など様々な機会が用意されていますが、私たちはその中で、あえて全日制普通科のスタイルに信念とこだわりを持っています。

30数人が一つのクラスに集う。毎朝9:00からスタートし6時間の授業をして15:00にホームルームで1日が終わる。行事やクラブ・委員会活動、生徒会活動といった教科外活動を行う。
私たちがつけてほしい力は、こういった中でしか身につけることのできない力、数年後に社会に巣立っていった時に必要な力なのです。

学校に行くのが怖かった子供、学校が大嫌いだった子供が毎日通っています
「いじめにあって人と関わるのが怖くなってしまった」「友達とのトラブルで周りからハブにされてしまった」「先生の理不尽さに、学校も教師も大人も信用できなくなった」そんな子供たちが、毎日学校に通っています。
どの子に聞いても、最初は不安でいっぱいだったといいます。入学を決意して、試験を受け合格通知を手にして、不安に押しつぶされそうになり「入学前、受験したことを後悔したんだ」なんて生徒もいるくらいです。

けれど、学校生活がスタートし、日がたつにつれ、同じような痛みを持った仲間が集まっていることに、不安が安心にかわります。そして、学年が進むにつれ、そんな過去の出来事を乗り越えた自分にふと気が付きます。

私たちはいじめにも暴力にも毅然と向き合います。友達同士のトラブルも放っておきません。教師が理不尽な対応をするということはありません。
それは学校という場で当たり前に用意されているべきことですが、それ以上にそういう経験をした子供たちを受け入れているからこそ、なおさらです。
同じクラス・学年に…違う年齢の生徒/全国からの生徒/様々な経験をした生徒
全校生徒の約半数が現役生です。残りの半分は過年度生。そして、その背景も様々。
友人関係のトラブルやいじめなどで学校に行けなかった、理由はわからないけれど小学校4年生から学校に行っていなかった、クラブ活動で特待入学をしたがついていけなくなってしまった、進学校に入学したが勉強についていけなくなった、ヤンチャを繰り返しているうちに警察にお世話になってしまった、親との関係が悪くて親元を離れたかった、などなど。
この色々な経験をした生徒たちが集まっていることは、北星余市の特徴でもあり、それぞれの成長に欠かせないものです。

進学率は70%
有意義な高校生活を過ごすことはもちろんですが、私たちはその後の人生もつなげてあげたいと思っています。北星余市では学校生活に真摯に向き合っていく中で付けた力を次につなげようと、約70%の生徒たちが大学・短大・専門学校に進学しています(四年制大学は4割ほどです)。

進路指導
「進路指導」は「自分探し」の糸口を示すものと考えています。
目的地は一つじゃない。
ここ数年の本校卒業生の進路状況は、進学(大学、短大、専門学校)が69%、就職その他が31%となっています。昨今の不景気の中では就職を選択していくことの方が強い精神力を必要とされます。家族や家庭の経済状況などから、涙ぐましい努力で就職内定にこぎつけていく生徒もいます。
進学も就職も、人生について考え、自分の判断を大切にして踏み出した一歩に過ぎません。目的地は一つではないのです。

推薦制度を活用して7割が進学
進学者は、主に指定校推薦や一般推薦制度を利用して進学しています。人間としてたくましく成長し、小論文や面接などに強みを発揮できるのが、本校教育の特長です。
北星学園は120年の歴史と伝統を持つ学校法人です。系列の北星学園大学には学園内高校として進学枠が保障されています。他にも推薦枠のある大学が多数あります。

指定校推薦大学
[北星学園大学]
経済学部・文学部・社会福祉学部・短期大学部

[キリスト教学校教育同盟校]
聖学院大学・三育学院大学・青山学院大学・国際基督教大学・東京神学大学・明治学院大学・聖隷クリストファー大学・西南学院大学・松山東雲女子大学・活水女子大学

[その他私立大学]
金城学院大学・東北学院大学・秀明大学・東洋大学・中部学院大学・追手門学院大学・立正大学・桜美林大学・大阪経済法科大学・徳島文理大学・札幌大学・北陸大学

これまでの卒業生の進学先(過去3年間)
[道内大学・短期大学]
北星学園大学、札幌大学、札幌学院大学、札幌国際大学、北翔大学、北海道工業大学、浅井学園大学、北翔大学、酪農学園大学、稚内北星学園大学

[道外大学・短期大学]
明治学院大学、和光大学、同志社大学、駒沢大学、中部大学、聖学院大学、国際基督教大学、城西大学、城西国際大学、大阪経済法科大学、恵泉女学園大学、桜美林大学、京都精華大学、大成学院大学、久留米工業大学、桐蔭横浜大学、梅光学院大学、明星大学、東京福祉大学、東北学院大学、神戸海星女子学院大学、京都光華女子大学、川村学園女子大学、広島県立大学、カリフォルニア州立大学イーストベイ校、青山学院大学、愛知産業大学、花園大学、関東学園大学、阪南大学、湘南工科大学、新潟医療福祉大学、新潟青陵大学、崇城大学、西南女学院大学、青森大学、青森中央学院大学、静岡英和学院大学、創造学園大学、大阪女学院大学、拓殖大学、追手門学院大学、帝京平成大学、東海大学、東京工科大学、東洋学園大学、日本医療科学大学、名古屋学院大学、名古屋商科大学、明海大学、明桜大学、立正大学、都留文科大学
過去3年分の進路グラフ

卒業生より
41期卒業生 福田 未央■私は今、就職活動まっただ中です。希望はテレビ番組の制作会社、将来の夢はディレクターになる事です。様々なメッセージを心に届けることができる歌が大好きで、歌番組の制作に携わっていきたいなと思っています。

■専門学校に入ってから、自分でもびっくりするくらい人と接することが苦でなくなりました。欠席もしなくなりました(笑)。北星余市で先生や友だちに鍛えられてきたおかげです。学校では、シナリオやカメラワーク、音声、照明、ディレクターの仕事などを、実習を交え勉強してきました。その他、今は自主制作で映画を2本つくっています。

■後輩へメッセージというと大げさだけれど、高校でもう少し勉強しておけば良かったと思っています。番組制作の授業では、電気に関することがたくさん出てきて、理数系が苦手の私はとても苦労しました。それに文章力や日本語のボキャブラリーもまだまだです。それでも、これまで学んだこと+とびっきりの‘やる気’で、希望の会社へ就職して夢を叶えたいです!先生、楽しみにしていてね。
(札幌ビジュアルアーツ専門学校映像学科テレビ制作専攻2年)


41期卒業生 亀橋 陽平■自分が嫌なことは断る。それを理解してくれるのが「友だち」と呼べるんじゃないかと思う。僕は場の空気を読むのは苦手じゃなかったけれど、読んだ空気に流されることも多かった。これじゃあいけないと、地元を離れ北星余市に来た。自分の持論として、年上でも年下でも、友だちというからには対等でなければいけないと思う。余市には色々な人が通ってきているから、お互いを‘察する’伝統がある。

■察すると言うことは、空気を読んで曖昧にすることなんかじゃない。その人が嫌なことを「嫌だ」と言ったとして、その背景を考え、理解することだ。だから、北星余市は、ハブ(仲間外れ)を嫌うし、今まで、話すことも無いと思ってたタイプの人が、大切な友達になることも多い。普通の高校では得られないような、自分の武器になることがここには沢山ある。。

■僕は今、大学で社会福祉に携わる人を育てる学科で学んでいる。社会福祉は、やりがいのある仕事だけれど、制度がまだまだ未成熟だ。「それっておかしいんじゃないか?」と思うこともたくさんある。まあ仕方ない…という空気もあるけれど、それに流されていたのでは、そこに「自分」はいない。自分の人生の主人公は自分だけだ。主人公が活躍しない物語りなんて、他人から見ても、自身も面白いわけが無い。だからたとえこの先「おかしい」と思うことがあっても、ただ流れに乗せられるんじゃなくて、自分を持っていこうと思う。生きる上で‘察する力’が大切なんだと思う。
(北星学園大学社会福祉学部福祉計画学科2年)


町内に35軒の下宿
北星余市には学校が経営している寮はありません。学校が指定した下宿が余市町内に35軒ほどあります。余市町民の方が下宿を開いていて、生徒たちを生活の空間、つまり家として受け入れてくれています。

管理人さんは余市での父さん・母さんです。だから、下宿は「家」です。そして、管理人さんの雰囲気、その下宿に集まる生徒の雰囲気によって、「家」の雰囲気もまたさまざまです。自分に合った「家」を探して、生活することができるのも北星余市の良いところです。

そして、下宿には支えてくれる先輩がいます。先輩も1年前、2年前は、不安でいっぱいでした。その時の気持ちがわかるから、不安をたくさん抱えて入学してくる仲間に、優しく寄り添って、優しくしてくれます。そうされた後輩がやがて先輩になったとき、また後輩に同じことをしてあげられるのだと思います。そういう関係が脈々と続いています。

支え合う親同士のつながり
私たちが毎年全国で行っている教育相談会では、たくさんの親御さんが相談に訪れます。そのほとんどの親御さんから感じることは、独りであるということ。親としての切ない思い、辛い思い、それは当事者にならなければなかなか理解してもらえないことなのか、その苦しみを抱えてらっしゃる方がとても多くいらっしゃいます。

北星余市では、そんな苦しみを分かち合い、支え合える仲間が親御さん同士のなかにも存在します。子どもによかれと思ってやったが結果的に子どもにとってよくなかったこと、こうしたら子供と向き合うことができたという経験を語り合うこと、北星に入学後の子供の学校生活を共に支えること、子供の成長を喜びあうこと、そういったことを通じて親御さんもまた元気を取り戻していきます。その親御さんの変化が、子供たちの成長にまたつながっていくことが何より大切なことです。

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